市況分析 2021.01.21
【最新】コロナ禍でも伸びている業界とは?【2020年12月版】
2020年は新型コロナの影響で、就活のやり方や人気業界が変わったりと
これまでの就活とは違うことが非常に多かった1年でしたね。
とはいえ2021年も、年明けから一部の地域に緊急事態宣言が再発令されたことにより
職を失う人や倒産する企業がさらに増えるのではないか、と不安になっている方もいることでしょう。
今回は、2021年1月14日に帝国データバンクが発表した
「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年12月)」
( [https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210104.pdf](https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210104.pdf) )
をもとに、各業界の状況や、コロナ禍において企業は
これからどのように事業を進めていくのかなどを見ていきたいと思います。
## 0. そもそも業績が伸びている企業はあるの?
新型コロナの影響により、業績にどのような影響があるかと尋ねた時の回答をまとめました。
|回答|割合|
|-|-|
|既にマイナスの影響がある|69.2%|
|今後マイナスの影響がある|10.7%|
|影響はない|12.0%|
|プラスの影響がある|4.2%|
|分からない|3.9%|
上記より、「マイナスの影響がある」と見込む企業は全体のおよそ8割を占めており、
新型コロナの影響を受けていう企業がやはりたくさんあることが分かりました。
ただし4.2%は「プラスの影響がある」と回答しており、
すべての業界がマイナスの影響を受けている訳ではなさそうです。
では実際に、どの業界がマイナスの影響を受けており、
どの業界がプラスの影響を受けているか、ランキング形式でご紹介します。
## 1. 「マイナスの影響がある」業界
「マイナスの影響がある」と回答した業界のランキングはこのようになっています。
|業界|割合|
|-|-|
|旅館・ホテル|94.3%|
|飲食店|91.9%|
|パルプ・紙・紙加工品製造|91.7%|
|繊維・繊維製品・服飾品小売|90.3%|
|広告関連|90.3%|
|繊維・繊維製品・服飾品卸売|90.3%|
表を見ると、やはりニュースでいわれているものがそのまま反映されているように見受けられます。
旅行・宿泊業界や飲食店業界はやはりマイナスの影響が大きく、
再びの緊急事態宣言の発令による休業・時短営業などで、さらに影響を受けることが予想されています。
お一人様プランや食事のテイクアウトなど新たな取り組みを行っているところもありますが、厳しい状況が続いています。
またパルプ・紙・紙加工品製造の業界については、
リモートワーク・在宅勤務の推奨によりペーパーレスの方向に進んでおり、
こちらもマイナスの影響を大いに受けているのではないかと予想できます。
このように「マイナスの影響がある」と回答した業界がたくさんあることを考えると暗い気持ちになりますが、
厳しい中でも、新型コロナでプラスの影響があったり、新しい道が開かれた業界もあるようなので、そちらもご紹介します。
## 2. 「プラスの影響がある」業界
続いて、「プラスの影響がある」と回答した業界の上位5つになります。
|業界|割合|
|-|-|
|各種商品小売|39.6%|
|放送|17.6%|
|飲食料品小売|15.4%|
|飲食料品・飼料製造|12.4%|
|教育サービス|11.5%|
年末年始に近づくにつれてコロナの感染者数も一気に増加し、世間が再度ステイホーム・自粛のムードに包まれたことにより
巣篭もり・内食需要でプラスの影響を受けた業界が上位を占めたと考えられます。
### 参考(1) :コロナ禍での業態転換について
コロナ禍を機に、事業の業態転換を行う予定(可能性)があるかという質問に対し、
「業界転換の予定がある」(既に転換している・今後転換の可能性がある・転換を検討している)
と回答した企業は20.3%と、**5社のうち1社で、事業の業態転換が考えられている**という結果も出ています。
「事業の業態転換を行う予定(可能性)がある」と回答した企業の、上位3業界は下記の通りになっています。
|業界|割合|
|-|-|
|飲食店|45.2%|
|繊維・繊維製品・服飾品卸売|35.9%|
|紙類・文具・書籍卸売|34.0%|
新型コロナで「マイナスの影響がある」と回答した業界が2つ入っており、
企業の存続を賭けて、業態転換をしていく業界もあるようです。
また既に転換している企業の声として、
「GIGAスクール(※)関連業務の事業拡大によるプラス影響がある」、
「クリーンブース設置工事に関する仕事が大幅に増えた」など、
コロナ禍でプラスの影響があった結果、業態転換に至った、という企業もあります。
```
関連:「GIGAスクール構想」(GIGA:Global and Innovation Gateway for All)
「児童に1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを整備し、学校現場の中で
公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる環境を実現する」という構想のこと
■ 文部科学省「GIGAスクール構想の実現へ」
→https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf
```
このように環境に合わせた業態転換ができる企業が、これからの時代を生き残っていける可能性が高いと考えられます。
就活を進めていく中で、企業の判断基準として
**環境の変化に合わせた転換をできるかどうか**、**時代に合わせて柔軟に対応していけるかどうか**を見極めることが重要です。
### 参考(2) :就職人気企業ランキングにはどのような影響があるの?
株式会社学情が2022年卒の学生を対象に
「22卒学生の就職人気企業ランキング調査」([https://service.gakujo.ne.jp/data/recruit/ranking/2022](https://service.gakujo.ne.jp/data/recruit/ranking/2022) )
を行ったところ、1〜10位は下記になったとのこと。
|順位|前年順位|業界|企業名|
|-|-|-|-|
|1|1|商社(総合・専門)|伊藤忠商事|
|2|3|食品|味の素|
|3|6|食品|アサヒ飲料|
|4|28|マスコミ(新聞・放送・広告・出版・芸能・エンタメ)|講談社|
|5|7|医薬品・化粧品・トイレタリー|資生堂|
上記を見ると、前年順位から大幅にランクアップした企業もあり、
コロナ禍でもプラスの影響がある業界や、むしろコロナの影響に左右されない企業が学生に人気であることが分かります。
とはいえマイナスの影響を受けている業界でも、引き続き採用している企業もあります。
この場合は逆にコロナに負けず攻めの戦略で経営や事業を進めていることが多く、ベンチャー志向ユーザーには燃える環境が整っていることでしょう。
コロナに負けない!業界を盛り上げたい!と考えている、攻めたい・アツい方は一考の余地ありです。
## まとめ
今年もコロナの影響で、各業界も何かしらの影響を受ける可能性が高く、
就活・転職をしている皆さんも、一筋縄ではいかないことが予想されます。
ぜひ、業界や企業を選ぶ際には、企業の業績はもちろんのこと、
時代の流れに合わせた変化ができる企業であるかどうかも見極めながら、運命の1社を見つけてくださいね。
#### 参考文献
- 帝国データバンク."特別企画 : 新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020 年 12 月)".帝国データバンク.2021/1/14.
[https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210104.pdf](https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210104.pdf), (2021/1/18)
- 文部科学省."GIGAスクール構想の実現へ".文部科学省
[https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf](https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf), (2021/1/18)
- 学情."2022年卒 就職人気企業ランキング【速報】".学情.2020/12/21.
[https://service.gakujo.ne.jp/data/recruit/ranking/2022](https://service.gakujo.ne.jp/data/recruit/ranking/2022), (2021/1/18)
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