親に第一志望を反対されたからこそ、もう一度考える「自分」のこと

親対策

親に第一志望を反対されたからこそ、もう一度考える「自分」のこと

「お母さんは反対です。そんな会社に入ってもあなたが不幸になるだけよ」

出だしから衝撃的な言葉ですね。
ですがこれは実際、私が入社しようと決めた企業を伝えた際、母に言われた言葉でした。

 

5年ほど前から出始めた「オヤカク」の言葉

最近よく耳にする「オヤカク」。親に確認するの略称です。
晴れて内定が決まった!入社だ!となったにも関わらず親の反対に遭い会社を辞退する、といったケースを防ぐため、採用担当者が親に内定承諾の確認を行うことを指します。

実はこの言葉、使われ始めたのは今から5年ほど前なんです。本当に最近の話ですね。

この言葉が使われ始めた背景には「就職売り手市場」が関係しています。
5年前といえば2014年前後。2008年に起きたリーマン・ショック以降落ち込んでいたベンチャー企業の資金調達額も急回復を遂げた時代でした。

つまり学生が就活の選択肢として

・売り手市場だし、大手の企業を強気で狙えるかも!
・ベンチャー企業も成長速度が速く魅力的かも!

と、幅広く考えられるようになった時代だったわけです。

しかしリーマン・ショックを目の当たりにした親の意識としては依然、大手企業・有名企業が一番。
特に売り手市場であれば尚更、親としては「大手企業にに入れるチャンス!」と考えるわけです。

※じゃあ本当に売り手市場=大手企業に入りやすくなるの?というと、20卒は売り手市場? 1.83倍、8.62倍、0.42倍…何の数字? を見ればわかる通り、大手企業の求人倍率は景気に左右されずほぼほぼ横這いの状態。間口が広がったのは大手以外の企業と言えます。

 

大事なのは「他人のせいにしない道」

大手、もしくはそこまで言わずとも福利厚生などが整った所謂「安定した企業」に入って欲しい親。
冒頭にあったように、私の母親もそう考えており、ベンチャー企業に就きたい私との話し合いは平行線の一途を辿りました。

その際、一番重要視したのは「将来うまくいかなくなった時、『お母さんが言った通りの道を選んだから私は不幸になった』と言わない道を考えること」でした。
自分自身の人生だからこそ、他人のせいにも、後悔もしたくなかったからです。

その考え方を前提にした上で、もう一度母親が提示した反対意見(=ベンチャーのデメリット)と大手のメリットを書き出し、同時に自分自身が考えているベンチャーのメリット大手のメリットも書き出した上で、自分自身の志望条件を再定義しました。
親に従うためでも、親に反発するためでもありません。すべて「自分で後悔しないように」「他人のせいにしないように」選ぶためです。

(ちなみに神戸大学の研究で、所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる、という結果も出ています。
 誰かが正解だと言っている道をただ進むより、本当に自分はそこに行くのがいいのか、自分で考えるとより幸福感を感じることができるでしょう。)

今の時代「どこの企業だったら大丈夫」ということはなくなりました。(参考:ロールモデル(正解)のない時代を生きる
だからこそ、親と意見が対立した際にこれを再考する良いチャンスだと捉え、もう一度「自分はどんな風に生きたいのか」「その上でどの企業を選ぶのか」を考えてみましょう。

 

おまけ:親と意見が対立した際に揉めない言葉選び

これは親に限らず、意見がぶつかった際に相手を立てながら自分の意見を伝えるテクニックです。

基本的に意見に対立が起きた場合は、
相手が言った言葉を「あなたは●●だと思うんですね」と受けた上で、
「私は●●が前提にあるので、〜〜をしたいと思っています」と返しましょう。

自分の反対意見に対して条件反射で「でも」「だけど」と言うと、相手側は「拒否された!」という感情が先走り、それ以降の意見を否定することにばかり意識がいってしまう可能性があります。
とはいえ共感を示そうとしても、自分が思ってもいないことに「わかる」というのは心理的負担がありますよね。

だからこそ主語に注意を払いましょう。
「これはあなたの意見」「これが私の意見」と示すだけで、相手も落ち着いて意見を整理できるようになり、最終的に「互いの価値観の違い」を認めてもらえやすくなります。

ぜひ落ち着いた話し合いの末、自分が納得する未来を選び抜いてください。

この記事を監修した人
平塚

代表取締役 平塚ひかる
年間で10万人が利用する就職サイトチアキャリアを運営する株式会社Cheer代表取締役。
新卒で入社した会社を3ヶ月目の22歳で役員に。1年目で営業成績1位、全社MVP。営業・マーケや開発・広報・人事管轄の取締役として従事したのち独立。
第一回日本中小企業大賞三冠・三年連続受賞したのち殿堂入りし、審査員就任。
東京都の【多様な主体によるスタートアップ支援展開事業】分科会審査員を2期連続担当。
意思決定層のジェンダーギャップに取り組む「スポンサーシップ・コミュニティ」発起人を務める。

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