市況分析 2019.05.09
20卒は売り手市場? 1.83倍、8.62倍、0.42倍…何の数字?
就職活動をしていると**"売り手市場"**という言葉をよく目に耳にすると思います。
企業の人事の方々にとっては当たり前の言葉なので、
説明会などでもサラッと流されることも多いのですが、
皆さんは"売り手市場"がどういう意味かきちんと説明できますか?
(見たことがない人はここで覚えていってくださいね)
## 売り手市場ってどういう意味?
さて、"売り手"ということは"買い手"もいるわけでして、
採用における"買い手"は企業、"売り手"は求職者、つまり就活中の皆さんです。
人材が欲しい〜という企業に対して自分を売り込むんですね。
"売り手市場"というのは売る側が強い状態、商品の数よりも欲しい人の方が多い状態です。
つまり**求職者に対して企業の募集人数の方が多い状態**ということですね。
ちなみに過去にあった就職氷河期は企業が人材募集をしなくなった結果、
募集人数と求職者の割合が大きく求職者側に傾いた"買い手市場"です。
## "売り手市場"度を表す"求人倍率"
この"売り手市場""買い手市場"の度合いを示す数字が**求人倍率**です。
[求人募集総数] / [求職者数] で計算されるこの数値は、
日本全体における**[一人あたりの募集求人数]**を表しています。
例えば、求人倍率が2倍!!だと求職者の2倍の会社が募集しているため、
学生は引く手数多、逆に企業の半数は採用できないような状態ですね。
2008年頃の好景気では実際に2倍を超えた年がありました。
逆に求人倍率が1倍!!!だと求職者と企業の募集人数が同じになります。
これが「ちょうどいい」なんて考えてはいけません。
1倍ということは、求職者全員が就職するには勤務地も待遇も業種も職種もわからない
運命の一社を見つけ出さなければいけないのです。
バブル崩壊後の1998年に実際に0.9倍まで落ち込みました。
閑話休題、ここでタイトルの数字を見てみましょう。
1.83倍、8.62倍、0.42倍。
察しの良い方はお気づきでしょうが、これらは全て求人倍率なのです。
3種類の数字と"売り手市場"の実態について最後にまとめましょう。
## 実際どのくらい"売り手市場"なの? - 売り手市場のカラクリ
改めまして、リクルートワークス研究所が4月24日に公開した調査報告によると
2020年3月卒業予定の大学生・大学院生の大卒求人倍率は1.83倍となりました。
学生一人あたり1.83社が募集をかけている、完全に売り手市場です。
昨年度の1.88倍から0.05ポイント低下してはいますが、リーマンショック以来2位を誇る
かなり高い数値となっています。
はい、一番目の数値が出てきましたね。
ここまではよく聞く話ですが、ここからが本命です。
8.62倍、0.42倍。これらも同じく求人倍率なのですが、
実は企業の従業員規模別に分けた値なんです。
**従業員数300名未満の企業では求人倍率がなんと8.62倍、
逆に5000人以上の大手企業だとたった0.42倍なんです。**
すなわち、小規模の企業が募集枠を増やして採用している一方、
どれだけ効率的に動いたとしても大手企業は応募者のほぼ6割がお祈りメールです。
"売り手市場"と言われてはおりますが、実は大手企業は採用枠をほぼ変えておりません。
**300名以下の企業が採用に力を入れている結果の数字**、というのが真実なのです。
## まとめ
ここまで読んでいただいた方は
- 売り手市場
- 求人倍率
についてバッチリ理解しましたね!
その上で、今まさに就職活動をしている皆さんに伝えたいのは、
"売り手市場"で有利と言われているから、という理由だけで
大手に絞って採用活動をしないで欲しいということです。
上で述べた通り、大手企業の求人倍率は0.42倍で、別に売り手市場でもなんでもありません。
もちろん明確な意思があって大手を志望している方は是非頑張っていただきたいですが、
もし特に考えておらず「とりあえず売り手だし……」と思って選考を受けるのならば
その時間で運命の一社を見つける"就活"をして欲しいと思います。
募集を増やしているというのは成長している証拠!
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最後に、鯔のつまり求人倍率とは全体の統計でしかないので
当事者の皆さんにとってはあくまで経済用語の一つとして頭に留めつつ、
余り気をとられないように運命の一社を探してください。