株式会社ベルタ
【読書案内】#3「具体と抽象から見えてくる新しい世界とは」

2023.03.28

【読書案内】#3「具体と抽象から見えてくる新しい世界とは」

どうも、寝る前に人間の存在意義を考えて眠れなくなっちゃう、近藤です。
そんなベルタの寝不足系読書案内人が、今回みなさんにおすすめする本はこちら!


『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』
(細谷功、2014年)

「抽象的で分かりにくいからもっと具体的に話して」なんて言われることがよくありますが、そんな固定概念に異議を唱えるのがこの本。
実は、人それぞれ具体と抽象の解釈レベルは異なるものなのです。
例えば、”魚”と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
イラストになった青い魚を思い浮かべる人もいれば、飼っているグッピーを思い浮かべる人もいるでしょう。はたまた、食いしん坊さんは美味しそうなお刺身や秋刀魚の塩焼きなんかを想像するかもしれません。
このように、物事を具体的に考える人と抽象的に考える人では、世界の見え方がまるで違っていて、抽象レベルの高い人ほど『同じ』(個性のないイラストの魚)に見え、抽象レベルの低い人ほどすべてが『違って』(グッピー、秋刀魚の塩焼き)見えているのです。

そして、抽象化思考を持つ人ほど物事の本質に目を向けやすい傾向があり、そんな「抽象化を制するものは思考を制す」と説く著者は、「具体化」と「抽象化」の往復こそが人間特有の頭脳的活動の根本であると言います。
こうして短くまとめると、少し難しく感じるかもしれません。
しかしこの本では、それをゆるめのイラストと分かりやすい文体で書いてくれているので、マジで読めば分かります。


人間みな生きている限り、やりたいこと、やるべきこと、やってきたこと、いろいろあると思います。
それらを抽象化して、俯瞰的な視点から見た時、あなたのあるべき姿が、あなたの本質が見えてくるのではないでしょうか。


さて、冒頭に戻りますが、みなさんは人間の存在意義を考えたことがありますか?
宇宙規模で見れば、人間の存在はなんともちっぽけでいつかは消えてなくなる運命です。
どうせ消えてなくなるなら…と何もしないでいる?
否、私はだからこそ何をしてもいいと思うんです。
人ひとりにとって、人生は長く圧倒的に自由なものでしょう。
世界の見方を変えたとき、あなたのしたいことは何ですか?

ではみなさま、旅のお供に具体と抽象お忘れなきよう。
この投稿の著者
近藤夏帆
近藤夏帆
23卒内定者
同志社大学文学部国文学科卒業予定。映画制作サークルに所属。演者、監督どっちもやる。映画好きで、これまでに1500本以上の作品を鑑賞。小さい頃からSF映画が大好き。学業面では安部公房の「他人の顔」という作品を卒論のテーマとして、人と人との関係性やアイデンティティの観点から研究。多分その原点は映画「ブレードランナー」にある。大学4回生になるまで長期のアルバイトを経験していないという珍人間。短期バイトやオンラインショップで自分が作ったアクセサリーの販売をしたりしていた。やりたいことに夢中で気づいたらそうなっていた。
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