コロナ禍での新卒採用・内定者フォローの在り方

研修・育成

コロナ禍での新卒採用・内定者フォローの在り方

コロナ禍での新卒採用・内定者フォローの在り方について
相談が増えてきています。

リモートワーク など働き方の変化がある中で
皆さんはどのような新卒採用・内定者フォローをしていますか?

市場の変化とともに見ていきましょう。

コロナによる採用市場の変化

採用市場は買い手市場に

2021年卒の新卒採用マーケットは20年卒の売手市場から一転、企業側の採用優位な買手市場へと様変わりしてきています。
私が2006年に人材コンサル会社を設立したときも売手市場でしたが、その3年後、リーマンショックにより有効求人倍率は
急速に悪化し、買手市場へと急変しました。
リーマンショック経験者である経営者や人事役員は、当時がそうであったように5年後、10年後のスター人材獲得のチャンスだと、
このコロナ禍での採用市況をみているのではないでしょうか?
超氷河期と言われた2000年度の新卒市場(実は私が社会人になったのはこの年ですが)もベンチャー企業や外資が
ここぞとばかりに採用に力を入れていました。

今回のコロナ禍での買手市場、積極的に採用をする企業には大きなチャンスですが、より有望な人材を獲得するためには、
複数の内定を有している学生を口説き落とさなければならないのが現実です。
確かにエントリー(応募)は増えますが、買手市場だからといって、今まで以上の優秀な学生を獲得するとなると単純に
採用が楽になったり、確実に質も量も確保できるとは限りません。

リモートワークにおける採用・繋ぎ止め

2020年4月以降、リモートワークでの就業が急激に普及し、企業はリモートワークを前提とした新入社員の受け入れ方法や
教育、評価に関しても新しい形式を取り入れはじめています。
2021年度卒の新入社員は選考から内定付与、そして内定期間の教育やフォローもオンライン中心になるかと思います。
当社の2021年卒内定者の一人もオンラインで内定付与をし、内定後に初めて対面で会うという今まででは
あまり想像できない採用活動となりました。

リアルからオンラインに変化していく中で、今までの関係値も少ない内定者をどのように繋ぎ止め、そして戦力化していくには
どうしたら良いのでしょうか。
その解は、「ジョブ型雇用」にあると思います。

「ジョブ型雇用」へのシフト

リモートワークによって、今まで日本の良さとされていた「人柄」や「頑張り」、「意欲」という数値では測りにくいものを
評価に反映させることがより困難な状況を生み出しました。
これは、働き方改革による「同一労働・同一賃金」の流れによって緩やかにもたらされると予測されていたジョブ型雇用の
促進を加速させはじめています。

大手企業(日立やKDDI)もコロナ禍のなかジョブ型雇用への移行を表明していますし、昨年にはソニーが人工知能(AI)などの
先端領域で高い能力を持つ新入社員の初任給に差をつける取り組みを始め、2019年度から年間給与を最大2割増しとしています。
また、トヨタ自動車からも終身雇用の終わりを告げる発言があったのは記憶に新しいところです。

もはや、旧来の日本型の「メンバーシップ型雇用」は、企業にとっても労働者にとっても5年後、10年後の明るい未来や
労使の良好な関係性をもたらさないのです。

新卒も「ジョブ型雇用」へ

コロナ禍の新しい様式のなかで、優秀な人材を獲得しフォローするには、先ほども述べたとおり、新卒に対しても明確な職務、
職務に対する給与(横並びの一律でない待遇)、勤務地、専門領域においての教育、キャリアプランの提示が必要です。
ジョブ型雇用に近しい内定の付与、入社までの教育・フォロープログラムが必須なのです。
そして、その明確な期待値が採用競合他社との差別化につながり、マッチングの基盤となるのです。

人材を口説く際に私が参考にしている資料があります。
それはプロ野球球団の日本ハムが大谷翔平を獲得するために作成した有名なプレゼンテーション資料です。
『大谷翔平君 夢への道しるべ~日本スポーツにおける若年期海外進出の考察~』と題された資料には、大谷翔平の目的は
メジャーリーグ(当初大谷選手はメジャーリーグを志望しており、日本球団には入らないとされていた)でプレーすることでは
なく、長期間メジャーリーグでトップ選手として活躍することの再確認がしっかりと記されています。
また、メジャーリーグで一流選手となるためには、過去の日本人メジャー選手の成績分析からファーストキャリアは日本球団での
トレーニングが最善であると証明し、日本スタイルの世界に通用する戦い方を身につけて、メジャーへ羽ばたくキャリアを
提示しました。

これは、大谷翔平だから特別というわけでなく、一般企業で働く個々人も会社の看板で定年までお世話にならない時代においては、
一人ひとりが仕事のプロとしてどのようにステップアップし、生きていくかを考えるのが当然の時代です。
就活生はそのようなシビアな現実に気づいていながら、やりたいことが曖昧であるが故に目を逸らしがちです。
そこに真摯に向き合い、自立した社会人への意識を持たすことが、コロナ禍の戦力になるための応募者や内定者フォローの在り方で
あり、応募者や内定者からも支持される手法であると思います。

どの様な職務にプロとして取り組んでいくのか、未来の期待する成果とは何か、その対価は何かを明確にしていくアプローチが
新卒採用、内定者フォローにも求められています。

この記事を書いた人
櫻井

株式会社Cheerの取締役。
ストレングスファインダー認定コーチ。
新卒で大手アミューズメント企業に入社し、最年少で採用責任者に抜擢。
29歳の時に浅井とともに起業。
会社1の愛読家であり、頭が良すぎて変わり者である。
とにかく人望が厚い2児の女の子の教育熱心パパ。

∠macchaのTwitterアカウント

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