【就活生向け】IT業界研究の進め方 | 業界地図と最新技術のトレンドを俯瞰しよう
「就活のためにIT業界の研究をしたいけど、何から始めればいいの?」
「IT業界を目指しているけど、どういった職業があるのだろう?」
というふうにお悩みではありませんか?
そこで、この記事ではそんなIT業界の企業研究に関する疑問を、
就活サイトである当CheerCareer(チアキャリア)が専門的な観点から解決します。
具体的には
- IT業界の地図 - 4つの大きな事業分野
- 業界研究で使えるIT業界の最新トレンド - どんな技術・産業が伸びている?
- IT業界はこれから人材不足が深刻化する?
- IT業界を志望する就活生に大切な3つのポイント の順番にご紹介していきます。 これを読めばIT業界の基本的な業界地図を把握できるので、就活生のみなさんはぜひITの業界研究をする際に参考にしてみてください。
IT業界の地図 - 4つの大きな事業分野
IT業界で働けば、コンピュータやネットワークを利用した情報技術である「IT」に携わることになります。
ITは PCやスマートフォンといった身近なものだけでなく、
企業を支える大規模なシステムなどにも活用されており、現代の生活から欠かせない技術といえるでしょう。
そんなIT業界の業界研究をするには、まずはIT業界が以下の4種類に分類されることを覚えておく必要があります。
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- インターネット・Web業界
- 情報処理・情報通信業界
それぞれの業界の詳細について、次項で詳しく解説していきます。
IT業界の地図 - 1. ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、コンピュータ上でさまざまな処理を行う「ソフトウェア」の開発に携わる業界です。
身近なソフトウェアとしては、「iOS」や「Windows」に代表されるOS(オペレーティングシステム)や
「Excel」「Word」「Power Point」といったアプリケーションソフトなどが挙げられます。
さらに、ゲームソフトやスマートフォンのアプリなどもソフトウェアに含まれます。
これらのソフトウェアは、仕事の効率化からエンターテインメントまでユーザーに幅広い価値を提供しているといえるでしょう。
また、ソフトウェア業界では法人向けの製品を開発している企業も多くあります。
たとえば、経営を管理するアプリケーションや勤怠管理ソフト、在庫管理ソフトなどが企業向けの製品に当たります。
IT専門の調査会社である「IDC Japan」が2018年に発表したデータ によれば、
国内ソフトウェア業界の市場規模は2017年~で年間平均成長率4.5%の拡大を続けており、
2022年までに3.5兆円ほどの規模まで伸びる見通しです。
IT業界の地図 - 2. ハードウェア業界
ハードウェア業界はコンピュータやスマートフォン、周辺機器といったハードウェアの企画や設計、開発を行う業界です。
具体的にはCPU、マザーボード、キーボード、マウス、プリンター、音楽プレーヤーなど物理的な実体があるものがハードウェアに当たります。
ハードウェア業界の代表的な職種には、「組み込みシステムエンジニア」があります。
これは機械に組み込むプログラムの設計・開発を行うもので、
製品の安全性や機能の正確性などはこのSEの手にかかっているといえます。
また、近年ではVRやドローン、3Dプリンターといった技術をハードウェア業界が牽引しており、社会に大きな影響を与えています。
なお、業界の中にはソフトとハードの両面を手掛ける企業も少なくありません。
たとえば、iPhoneやMacで有名なApple社はハードウェアとソフトウェアの双方を自社で手掛けています。
「IDC Japan」が2016年に発表したデータ によれば、ハードウェア業界の国内市場規模は約6兆1768億円です。
当時のIT業界の市場規模がおよそ合計14.5兆円ですので、ハードウェア業界の市場規模がいかに大きいか窺い知れますね。
IT業界の地図 - 3. インターネット・Web業界
インターネット・Web業界はクライアントに向けてインターネットを通じたサービスを提供する業界です。
インターネット・Web業界には法人向けのサービスを展開する「BtoB企業」と個人向けのサービスを展開する「BtoC企業」に分けられます。
BtoB企業ではWebサイトを制作したり、インターネット広告を出したりすることで、企業のプロモーションを支えています。
一方、BtoC企業ではSNSなどのプラットフォームを展開し、誰でも手軽に情報発信できる環境を提供しています。
また、検索サイトやショッピングサイトなどを手掛け、人々の生活を便利にしている側面もあります。
また、インターネット・Web業界は未経験者や文系出身者でも就職しやすい業界で、ベンチャー企業なども多いことが特徴です。
矢野経済研究所が2019年に発表したデータ によれば、インターネット・Web広告の市場規模は年々拡大しており、
2023年までに2.8兆円規模まで伸びる見通しとなっています。
今後もますます、様々なサービスや商品がWebを経由して流通するようになっていくでしょう。
IT業界の地図 - 4. 情報処理・情報通信業界
情報処理・情報通信業界では情報システムの企画・開発・構築から保守・運用までを行い、企業が抱える課題をITの力で解決しています。
具体例を挙げると、お店のレジや運送業の流通システム、電子カルテの管理システムなどが情報処理・情報通信業界の分野となります。
企業の課題の解決策を提案する「ITコンサルティング」や「データアナリスト」などもこの分野に当てはまります。
特に、アフターコロナの時代には業務のIT化を推進する企業も多いため、大きな需要がある業界といえるでしょう。
情報処理・情報通信業界には、システム開発に関わるすべての業務を引き受ける「SIer(システムインテグレーター)」や
ソフトウェア・ハードウェアの製造元となる「ベンダー」などの企業があります。
また、その下請けとなる中小企業が業界の8~9割を占めています。
経済産業省が2018年に発表したデータ によれば、情報処理・情報通信業界の市場規模は平成29年度時点で約6兆7905億円です。
社会への貢献度が高い業界であることから、今後需要がなくなる心配は少ないといえるでしょう。
業界研究で使える IT業界の最新トレンド - どんな技術・産業が伸びている?
IT業界の業界研究をするには、業界の最新トレンドを追うことが必要不可欠です。
何故なら、IT業界は変化のスピードが非常に速く、新しい技術が頻繁に登場するためです。
以下の項目では、IT業界の最新トレンドや今注目されている技術・産業について解説していきます。
業界研究だけでなく就活にも使える情報なので、しっかりチェックしておきましょう。
1. AI・ビッグデータ活用
現在のIT業界では、「AI」と「ビッグデータの活用」が注目されています。
AIは人工知能、ビッグデータは顧客情報などの大規模なデータの集合体を指す言葉です。
ビッグデータを分析すれば事業に役立つ知見を導き出せますが、これを人間の手だけで行うには限界があります。
そこで登場するのがAIの学習機能である「ディープラーニング」です。
ディープラーニングでは、十分なデータ量があれば人間が指示しなくても機械が勝手にデータを読み取って分析してくれます。
分析したデータをもとにすれば、より市場のニーズに合わせた商品やサービスを開発することが可能です。
このように、AIとビッグデータの活用は、ビジネスのあり方を大きく変える可能性があるため注目されています。
2. IoT
「IoT」はいわば「すべてのモノがインターネットに繋がった状態」を指します。
インターネットに接続する機器といえばPCやスマートフォンを思い浮かべる方は多いでしょう。
しかし、現在では家電製品や自動車などもインターネットにつながっています。
すべてのモノがインターネットに接続されることで、たとえば「車が自宅に近付いたからエアコンの電源を入れる」
「猫用のトイレが猫の体調を計測してスマホに知らせる」といったことも可能になります。
人々の生活を豊かにする可能性を持ったIoTは、今後も市場規模の拡大を続けていくでしょう。
3. ブロックチェーン
ブロックチェーンは複数のコンピュータでデータの整合性をチェックする「分散型ネットワーク」です。
もしも、一台のコンピュータだけでデータを管理した場合、本人が改ざんしてしまうリスクがあります。
しかし、ブロックチェーンでは「ブロック」という単位に分けたデータを複数のコンピュータで管理し、
それを鎖のようにつなぎ合わせて記録するため、記録改ざんや不正取引を防げるというメリットがあります。
ブロックチェーンはビットコインなどの仮想通貨に用いられた技術ですが、
クラウドサービス提供会社のセキュリティ対策としても注目されています。
たとえば、世界的に大きなシェアを誇る「GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)」などに情報が集約されすぎているという問題も、
ブロックチェーンによって解消される可能性があるのです。
また、この革新的な技術は金融業界の証券取引や小売業界のポイント管理など、あらゆる業界のシステムに広がりつつあります。
4. 5G
「5G」は「5th Generation」の略称で、モバイル通信規格の「第5世代」を意味します。
1980年代に登場したアナログ携帯電話の1Gから始まり、
ここ最近まで主流となっていた4Gまでその通信速度や利便性を向上させてきました。
5Gが導入されれば、これまでよりもさらに高速かつ大容量の通信が可能となり、
低遅延化・多数の機器への同時接続などもできるようになります。
特に低遅延化による信頼性の向上は、「医師がその場にいなくても手術用のロボットを遠隔操作して処置を行う」
「車の自動運転技術の実用化」といった技術的な革新にもつながります。
このように、社会を変える可能性を秘めた5Gは、IT業界の中でも特に注目度が高い技術といえるでしょう。
5. DX
「DX」は「デジタルトランスフォーメーション」の略で、
IT技術やデータを活用して企業のビジネスモデルを変革することを指します。
DXは単なるIT化を指す言葉ではありません。
IT化は「業務の効率化を目指して仕事のやり方を変えること」を意味しますが、
DXの場合は「ビジネスモデルを作り替えて顧客がサービスを利用しやすくすること」を目的としています。
具体的には、ネットショップの「Amazon」では、ユーザーが欲しいものを探しやすいようにレビューの評価順による並べ替えや、
価格による絞り込みなどの機能を実装しています。
また、「ベネッセコーポレーション」はスマートフォンやタブレットで自宅でも学習できるサービスを提供し、教育界に変革をもたらしています。
DXを実現すれば企業の働き方だけでなくユーザーの行動まで変化するため、IT社会の今後を占ううえで重要な分野といえます。
IT業界はこれから人材不足が深刻化する?
これからのIT業界では人手不足が深刻化するといわれています。
この背景には、少子高齢化やIT業界の急成長などが関係しています。
少子高齢化が進めば、新たに入社する社員の数が退職する社員の数を下回る可能性があります。
また、IT業界は近年IoT化が進んだこともあり急速に需要が高まっています。
少子高齢化で人材が減り続けるのに需要が高まるというギャップが生まれることにより、IT業界の人材不足は深刻化するわけです。
経済産業省が公開した「IT人材需給に関する調査報告書」では、IT人材の不足数は2018年が約22万人、2019年が約26万人とされています。
市場におけるIT人材の不足数は、今後も増え続けると推測されているのが現状です。
IT業界を志望する就活生に大切な3つのポイント
IT業界を志望する就活生は以下の3点を押さえることが重要です。
- 情報のキャッチアップを怠らないこと
- プログラミングの素養を身に付けること
- 技術の仕組みとビジネスモデルを理解すること
上記の内容を踏まえた上で業界研究を進めていきましょう。
詳しくは以下の項目で解説していきます。
1. 情報のキャッチアップを怠らないこと
IT業界を志望するのであれば、情報のキャッチアップを怠らないことが大切です。
これは、IT業界と技術の進歩・変化のスピードが著しいためです。
これまで解説したように、IT業界では頻繁に新しい技術が登場します。
新しい技術が登場すれば、それまでに培った技術や知識が通用しなくなってしまう可能性も少なくありません。
そのため、IT業界で働き続けるには昔の考え方・やり方に囚われず、柔軟に新しい技術を吸収していく必要があります。
また、就職活動の面接では最新のITトレンドについて聞かれるケースもあるため、情報のキャッチアップを常に怠らないよう心がけましょう。
2. プログラミングの素養を身に着けること
プログラミングの素養を身に付ければ、IT業界に就職した後に役立つでしょう。
これはプログラミング学習により論理的思考力が身に付いたり、就職の幅が広がったりするためです。
IT業界では、顧客の抱える課題を解決する方法を探したり、
システムのエラーを引き起こす原因を究明したりといった場面が多々あります。
このような場面では、論理的思考力が必要不可欠です。
プログラミングを学習すれば論理的思考力が身に付くため、IT業界での仕事に役立ちます。
また、プログラマーやSEといった開発職は人手不足に悩んでいますが、
このような専門知識が必要な仕事を一から教えることは簡単ではありません。
そのため、プログラミングスキルの基礎を身に付けた人材であれば、就職活動で有利になる場合があります。
また、プログラミングスキルを身に付ければ、就職ではなくフリーランスエンジニアとして活躍するという選択肢も出てくるでしょう。
このように、プログラミングの素養を身に付けることはIT業界への就職においてさまざまなメリットがあります。
3. 技術の仕組みとビジネスモデルを理解すること
IT業界を志望するのであれば、技術の仕組みやビジネスモデルを理解することが大切です。
これはIT業界の仕事内容が非常に幅広く、しっかりリサーチを行わなければ就職後にミスマッチが起きる可能性があるためです。
たとえば、Web開発であればフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニア、Webデザイナーなどに仕事が細分化されますが、Webサイトの仕組みについて理解することで、なぜこのような仕事が必要なのか理解できるでしょう。
また、IT業界にはBtoBとBtoCの両方の業態があるため、自身が志望する企業がどのようなビジネスモデルで売上を作っているのか把握しておくことも大切です。
「入社前のイメージと実際の業務内容が違った」というトラブルを防ぐためにも、
技術の仕組みやビジネスモデルを理解しIT業界研究を行いましょう。
IT業界を目指す就活生はぜひCheerCareerへ
今回はIT業界の業界研究の進め方について解説しました。
IT業界は今後も需要の拡大が見込まれる業界です。
深刻な人手不足が懸念される業界であるため、就活生にとっては売り手市場であるというメリットもあります。
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