危険!幻想が就職の選択肢を狭めている…「大手病」に感染していませんか?

市況分析

危険!幻想が就職の選択肢を狭めている…「大手病」に感染していませんか?

この時期、大手企業就職を夢見る就活生(大学3年生)が、とても多い。 目標を高く持ち、それに挑む! この姿勢は、とても素晴らしいと思います。 しかし、勝手な思い込みで、自ら就職の選択肢を狭めている学生が多いのも、また事実。 いわゆる「大手病」に感染していることに「無自覚」な学生が多過ぎます! ということで、今回の記事では * 「大手病」に感染していないかどうか、改めて自己分析をしてほしい * 時代背景を知り、自分に合った就職先(企業)を見つけるヒントにしてほしい * 今後の就活のやり方の参考にしてほしい という思いを込めて書きました。 それでは本題です。 ## 「大手企業=安定=長く働ける」という幻想 キャリア面談をしていると、大手企業を志望している多くの学生が 「大手企業=安定=長く働ける」 という主旨の話をしてくれます。 この記事を読んでいる皆さんは、前述の答えについて、どう思いますか? それでは、解説をしていきます。 たしかに「大手企業=安定」という考え方は正解です。 大手企業は、 * 規模が大きく * 資本力もあり * 対外的な信用も高い よって、大手企業は、ベンチャー企業に比べ、倒産しにくい。つまり、安定していると言えます。 つぎに「安定=長く働ける」についてここを勘違いしている学生が大勢います! この考え方は、ま・ち・が・い・です! 既述の通り、大手企業は倒産しにくい。だから安定しています。 しかし、安定しているからといって、長く働けるわけではありません。 いいですか!? 企業は、業績が悪化すると倒産させないために、さまざまな対策を打ちます。 例えば、経費削減。水道光熱費、旅費交通費、通信費など、多くの経費をコストカットします。 そして、経費削減の中でも即効性の高いものが、「家賃と人件費」です。 これらは、金額が大きく、短期間で業績(利益)を回復させることができるため、 業績悪化時にニュースとして、度々、世の中に登場します。 A社が、7000名のリストラ! B社が、1000名の早期退職募集! というようなニュースを見たことがありませんか? 大手企業の場合、企業規模が大きい分、リストラの規模も大きいんです。 社名は控えますが、〇千人単位で実施している例が多数あります。 興味がある人は「大規模リストラ 事例」で検索してみてください。具体的な社名や規模がたくさんヒットします。 ここで、みなさんに質問です。 皆さんが大手企業に就職できたとしましょう。 入社後、皆さんが、何千人ものリストラ対象の中に入らない。 そのような保証は、誰がしたんですか? 答えは、誰もしていません。 企業は、入社する権利は保障していますが、入社後の雇用継続(終身雇用)までは約束していません。 それなのに、多くの学生が、大手企業に就職すれば、将来の人生設計は安泰!と、誤解しているのです。 ## 時代の流れ 2019年5月13日、衝撃のニュースが世の中に流れました。 トヨタ自動車社長の「我が社でさえ、世界と戦っていくためには、終身雇用制度を維持していくのは難しい」という主旨の発言です。 就活生の皆さんの為に少し補足をしておくと、トヨタ自動車は1950年代に1600人のリストラを行ったのが最後です。 今回の発言は、そのトップの発言だったから衝撃的だったのです。 (参考:本を読むのが苦手であれば、「TBS リーダーズ」で検索すると、関連ドラマが視聴可能です) 話を本題に戻します。 この発言以降、国内では大手企業のリストラ案件が増えました。 今年に入ると、新型コロナウイルスの影響もあり、今後、一気に増えそうな気配が充満しています。 つまり、今後は、大手企業であっても容赦なくリストラを実施する、 そのような時代に入ってきたということを知っておくべきでしょう。 ## 大手病を改めよ!…トヨタ自動車社長の言葉を考える トヨタ自動車社長の言葉を就活生向けに紐解いていくと、つぎのようなことが読み取れます。 **これからの時代は、大手企業も容赦なくリストラを実施する。** **つまり、いままでのような終身雇用制度は維持できなくなる。** **企業が保証できるのは入社する権利まで。** **入社後の雇用、自分の身は自分で守るしかない。** **要するに、入社後、一生懸命仕事し、会社に貢献しつづけられない人材は、いつでもリストラ対象になり得るということ。** 就活生の皆さんへ いままで、どのような思いで大手企業を目指していましたか? 大手なら、 * ネームバリューがあり自慢できる * 入社したら安定しているから長く働ける * 収入面・福利厚生が充実しているから安心 などと、安易に考えていませんでしたか? ちょっと、振り返ってみてください。 ## 大手企業・ベンチャー企業 就職するなら、どっちが良いのか? 先程、これからの時代は 「自分の身は自分で守るしかない」 と、書きました。 ここがポイントです。 会社に貢献できない人材は、容赦なくリストラされる。 少し強めの表現ですが、今後は、このような時代になっていきます。 つまり、大手企業に就職しても、ベンチャー企業に就職しても、雇用維持に関するリスクは同じだということです。 ならば、 **自分の性格にあった企業** **自分の考え方にあった企業** **自分の希望が叶う可能性の高い企業** を企業規模に関係なく選んだ方が、より良い就職ができると思いませんか? ## 最後に 新卒ブランドでの就職活動は、人生で一度きりです。 せっかくのチャンスを大手病に感染し、自らチャンスを放棄するなんてモッタイナイと思いませんか? いまの就活スケジュールなら、まだ間に合います! * 自己分析をしなおし * 視野を広げ * 自分に合った企業を探してみましょう! * そして、今後の就活のやり方を進化させていきましょう! ベンチャーの優良企業なら、[CheerCareer](https://cheercareer.jp/)で探してみてください。 きっと、いままで気づかなかった優良企業との出会いが沢山あるはずです。
この記事を書いた人
殘間 靖(ざんま せい)
学校と企業、両方を知り尽くした、2つの顔を持つ、新卒就職に関するスペシャリスト。
1つ目の顔は、京都大学をはじめ、全国の大学で就活講座を担当している。また、キャリアセンターの職員に対し、面談や添削指導も行っている。2つ目の顔は年間1200-1300人の新卒面接を行うプロの面接官。この人数は現役人事担当者よりも多い。そして、新人や若手人事に対し面接研修の講師も務めている。

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