市況分析 2019.12.06
海外進出するならここ!ビジネスを始めやすい国Top20
***海外で起業する***って、かっこいいと思いませんか?
起業まで行かずとも、いつかは世界をまたにかけてみたい、海外で仕事したいという方は多いと思います。
そんな海外事業を具体的に考えていくと、マーケティングとは別に
どうしても引っかかるのが法手続きです。
そこで今回は、法手続きから見たビジネスと経済の話です。
海外拠点のある企業を探している方も、
入社後に国外事業部を興そうと考えている方も、
もちろん将来自分で起業しようという熱意がある方も必見です。
## 簡単にビジネスができる国Top20
一般的な感覚では、ビジネスをするのにもっとも難しいのは顧客を見つけることでしょう。
しかしそれとは裏腹に、ビジネスをするのに最初に直面するもっとも困難な部分は
そもそも最初にスタートすることです。
ビジネスを始める国の法律や登記の手続きによって
起業から経営にこぎつけるまで苦戦することもあれば簡単にできることもあるでしょう。
例えば、ニュージランドでは新規事業を立ち上げて仕事を始めるまでたった半日です。
一方で、例えばルクセンブルグやアルゼンチンに住んでいるならば、
同じことが1年以上かかることもあります。
今回のチャートは世界銀行が毎年発行している[Doing Business 2020](https://openknowledge.worldbank.org/bitstream/handle/10986/32436/9781464814402.pdf?sequence=24&isAllowed=y)という
世界各国でのビジネスの難易度を調査した報告書を元に作成されています。
[大きな画像はこちら(外部サイト)](https://www.visualcapitalist.com/ranked-the-20-easiest-countries-for-doing-business/)
## ビジネスの難易度を測る
今年で17年目を迎えたDoing Business報告書ですが、これは起業〜経営までの簡単さを
ビジネスのライフサイクルを通じて起こる次の12の要素を元に算出しています。
- 起業
- 雇用
- 建設許可の取得
- 電気の開通
- 登記
- 借り入れ
- 少数の投資家の保護
- 納税
- 国外貿易
- 政府との契約
- 契約の遵守
- 破産手続き
昨年度は190ヵ国に対して調査を行いましたが、
起業家がビジネスを行いやすく改善されたのはそのうち115ヵ国のみだったようです。
### ビジネスがやりやすい国Top20
注: 今年のDBスコア(Doing Business スコア)では、ランキングを作る際に
*雇用*と*政府との契約*の項目を加味していません。
| 順位 | 国 | DBスコア |
|:- |:- |:- |
|1 | ニュージーランド | 86.8|
|2 | シンガポール | 86.2|
|3 | 香港 | 85.3|
|4 | デンマーク | 85.3|
|5 | 韓国 | 84|
|6 | アメリカ | 84|
|7 | ジョージア | 83.7|
|8 | イギリス | 83.5|
|9 | ノルウェー | 82.6|
|10 | スウェーデン | 82|
|11 | リトアニア | 81.6|
|12 | マレーシア | 81.5|
|13 | モーリシャス | 81.5|
|14 | オーストラリア | 81.2|
|15 | 台湾 | 80.9|
|16 | アラブ首長国連邦 | 80.9|
|17 | 北マケドニア | 80.7|
|18 | エストニア | 80.6|
|19 | ラトビア | 80.3|
|20 | フィンランド | 80.2|
|**29** | **日本** | **78.0** |
ここ4年連続で首位を維持しているニュージーランドでは、ビジネスを始めるのに半日しかかかりません。
シンガポールもまた、税金の納入とビジネス上の契約遵守さえ行えば同様の早さを誇っています。
アフリカでは、Top50にはルワンダとモーリシャスの2ヵ国のみランクインしています。
モーリシャスはTop20に入った唯一の国です。
ラテンアメリカの各国がランキングに見られないのは、
多くの国で役所の長い手続きに溢れているからのようです。
日本はTop20からは残念ながら外れてしまいましたが、29位と席巻しています。
電気の開通などはよほど僻地にいかない限り無料で行えますし、
法人税の納入にかかる期間も他国に比べ優れているようです。
## 一番改善されたスコア
いくつかの発展国・発展途上国では2019年の間に大きな改革を見せ、新たな経営者への門戸を開いています。
Doing Business 2020 報告書によれば、時を経るごとに起業のコストは減っており、特に発展途上国ではそれが顕著なようです。
### 大きく改善した国Top10, 2018-2019
| 国 | 順位 | 増分 | 起業 | 建築許可 | 電気開通 | 登記 | 借入 | 投資家保護 | 納税 | 国外貿易 | 契約履行 | 破産手続 |
|:- |:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|:- :|
|サウジアラビア | 62 | 7.7 | | | | | || ||||
|ヨルダン|75|7.6||||| || ||| |
|トーゴ|97|7.0| | | | | ||||||
|バーレーン|43|5.9|| | | | | | | | | |
|タジキスタン|106|5.7| |||| ||| |||
|パキスタン|108|5.6| | | | ||| | |||
|クウェート|83|4.7| | | | | | || |||
|中国|31|4.0| | | ||| | | | | |
|インド|63|3.5| | |||||| || |
|ナイジェリア|131|3.4| | | | |||| | ||
サウジアラビアは+ 7.7ポイントともっとも大きな前進を見せました。
バーレーンも9項目、ほぼ全ての要素で改善されています。ヨルダンはたった3項目の改善ですが、スコアとしては+7.6と2番目に大きな数字となっています。
## 低所得国の中での増加
DB 2020の研究は、発展途上国の経済が前進していることも表しています。発展途上国では、過去もっとも安い金額でビジネスを行うことができるのです。
しかしながら、高所得の経済と低所得の経済の間には、いまだに隔絶した差が残っています。
起業家が低所得経済の中で事業を起こす場合、ベンチャーを興す際に***1人あたり所得(PCI)の50%***を費やすことになります。
一方で、高所得経済では同じことを達成するのにたった4%で事足ります。
別の視点で見ると、下位50ヵ国で新しい会社を作るのにかかる費用は、
高所得国と比べると***平均で6倍***を支払うことになります。
## 起業家精神と経済成長
一般的に、ビジネスをやりやすい市場にはより多くの起業家が集まり、そして地域経済により多くの価値を提供します。
このランキングが起業の難しさと経済成長との関係を明確に描いているように、
起業家精神を阻むだけでなく、それに関係したシンプルな成長戦略までも妨害する
大きな障壁が残っています。
## まとめ
シンガポールやマレーシアといったアジアで急速に発展した活気のある国々では
ビジネスもやりやすいということが分かりました。
もちろん、ベンチャーがどんどん設立される国には
設立等に関わる法制度以外にも様々な要因があるでしょうから一概には言えません。
例えば、起業国家として有名なイスラエルはDBランクは39位です。
法人税率をさげたり、ベンチャーキャピタルへの情報開示制度の敷設といった政策を行なっていますが、
その他にも今回の調査では測れない、**国民の強いベンチャーマインド**がイスラエルの産業を支えています。
日本も起業の際の最低資本金を1円に引き下げたり、登記をオンラインにできるようにと
少しずつ法制度の改善も見られますが、ベンチャーマインドという面では世間一般的に
まだまだ気が引けていると言えるでしょう。
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参考文献
VISUAL CAPITALIST
Ranked: The 20 Easiest Countries for Doing Business
https://www.visualcapitalist.com/ranked-the-20-easiest-countries-for-doing-business/