”無知の知”って?~”知らない”にもレベルがある~

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”無知の知”って?~”知らない”にもレベルがある~

今回お話しする無知の知はちょっと抽象的な話です。

といっても難しいという意味ではありません。

ビジネスメールの書き方や名刺の渡し方といった具体的・形式的なものではなく、日々の報連相や調べ物など全ての頭を使うことに対してもっと色々応用できる、という意味です。

是非 無知の知 を理解して日常生活で生かしてみて下さい。

そしてこの記事は「勝てない敵の倒し方シリーズ」の第一弾です。
「分からない問題に直面した時にどう対処していくか」
という大枠に沿っていくつか書いていきます。

<勝てない敵の倒し方シリーズ>

無知の知とは

さて、タイトルにある "無知の知" ですが、みなさん聞いたことはありますか?

高校時代に倫理でソクラテスについて学んだ方は思い当たるでしょうが、読んでいる方の世代と環境によって違いそうなので簡単に説明します。

まずソクラテスは古代ギリシャの哲学者で、"無知の知"という概念と"問答法"というメソッドを提唱したことで有名な人。

無知の知 とは、丁寧にいうと「私は、私がそれを知らないことを知っている」ということです。

知ったつもりにならずに、自分が未だにわからないことはわからないと認めるべき、という考え方です。

これは当時かなり画期的な概念でした。

事実を前提に立てた仮説なのか、仮説を前提に立てた仮説なのかを混同すると、話が根底から破綻してしまうので、知らないことは知らないと認めようと。

ソクラテスは優しいので、他の人にも「実はあなたは知ってるつもりになってるだけだ」ということを教えてあげようとしました。

そこで使われたのが問答法

この問答法とは何かというと、ひたすら何故?何故?とわからないところを問い詰め
根源まで掘り下げることで本質を理解できているかを測る思考法
です。

トヨタ式の5W1Hみたいですね。
知らない方は「トヨタ式 5W1H」で検索してください。

そして問答法を薦めて多くの他の哲学者を論破していった結果、ソクラテスは恨みを買って有罪判決。
そのまま死刑となってしまったのでした。

The Five Orders of Ignorance (5段階の無知)

閑話休題、この無知の知、知らないことを自覚すべきという考え方ですが
紀元前と変わらず現代においてもとても大切な考え方です。

ここからが本題ですが、Phillip G. Armourという方が提唱した、
無知の知から一歩進んだThe Five Orders of Ignorance(5段階の無知)を紹介しましょう。

無知には0 ~ 4までの5段階のレベルがある、という考え方です。

<無知レベル0 無知の欠如
知らないことが無い、つまり知っている状態。

<無知レベル1 知識の欠如
知らないけど、知らないことには気づいている
=> 調べよう

<無知レベル2 気づきの欠如
知らないし、知らないことが何か気づいていない
=> ここに陥ると自発的に改善するのは難しいので、常に偏見や固定概念にとらわれないよう気をつけよう

<無知レベル3 過程の欠如
知らないし、知らないことに気づいていないことに対して、どうしていいかわからない
=> 人に相談しよう

<無知レベル4 無知以前
無知のレベルがあることを知らない
=> この記事をちゃんと読めばこの段階にはいないはず

ソクラテスが提唱し、暴いていった無知の知は主にレベル1とレベル2の間の話になるでしょう。
「わかった気分になっている」、ないし「知らないが知ったかぶりをしている」状態です。

このように自分が知らない、わからない問題に直面したら、まず自分がどのレベルにいるのかを判断することが肝要だということを提唱しています。

どの段階かによって次の行動も変わります。

例えば人に相談する場合、相手に聞く内容が変わってきますので

  • 知らないから教えて欲しいのか
  • 何を知らないかわからないからヒントが欲しいのか
  • 調べ方がわからないのか
  • そもそも何をすればいいのかさっぱりわからないのか

を整理することが出発点です。

なお、何をすればいいのかさっぱりわからないのは出発点以前のこともあるので、一つ一つ"わかっていること"と"わからないこと"を整理したほうがよいでしょう。

無知の知を理解して正しい判断を!

この 無知の段階 を整理できていない状態で考察しようとすると、いわゆる「馬鹿の考え休むに似たり」と呼ばれる状態に陥ってしまいます。

ひたすら時間をかけて「なんで早く相談しなかったんだ!」と言われないように、また自分で後悔することのないように。

今自分に必要なものを判断してなるべく早く行動に移しましょうね。

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この記事を書いた人
Showgo

アプリもwebもインフラもサーバーもミドルもフロントもデザインも配線も企画もマネジメントも設計もコーディングもやる元営業のフルスタックエンジニアです。最近アプリからwebに戻ってきました。ここ一週間で8000行以上書いているようです。

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