5Gによって変わる業界と未来
高画質版は元サイト:https://www.visualcapitalist.com/wp-content/uploads/2020/03/5g-infographic-full-size.html から
みなさんは、5Gという新しいについて調べたことがありますか?
5th Generation(第5世代移動通信システム)という、4Gに続く無線通信の規格であり
従来よりも高速大容量・低遅延・多数同時接続ができるという特徴があります。
国内でもキャリアによってはすでに提供が開始されていますが、
法的な兼ね合いもあって現時点ではあまりその真価を発揮できていないようです。
ガートナー社が定期的に発表している「先進テクノロジのハイプ・サイクル」でも、
2019年8月時点で「過度な期待」のピーク期を迎えていたので、そろそろ幻滅期に入るころでしょうか。
```※ハイプ・サイクル
新技術が発表されたとき、その期待がハイプ(誇大広告)から現実的なものへの
移り変わりを表したモデル。
詳しくはこちら
https://www.gartner.com/jp/research/methodologies/gartner-hype-cycle
```
それでは、5Gネットワークがその力を発揮するとどうなるのでしょうか。
"AIで生まれる仕事・なくなる仕事"は一時話題になりましたが、
今回は5G技術の影響を見ていきます。
5Gによって変わる世界
スマホでのオンラインアプリやストリーミングに不可欠な通信速度は
4Gによって既にもたらされている上で、5Gはさらに歴史的な飛躍となります。
既存のデバイスの高速化・安定化といった開発を超えて、
産業や都市の基盤となりうるものとして研究が進められています。
5Gによる変化はすぐに起こるものではないため、その真価を完全に発揮するには
忍耐強く待つことが必要です。今回のRaconteurによるインフォグラフィックは、5Gの影響を強く受ける国と産業に焦点を絞り紹介をしています。
5Gによって強くなる産業
2035年には、5Gネットワークによって世界的に13.2兆ドルの経済効果が生まれると予想されています。
5Gの恩恵を受ける上位5つの産業をようにまとめました
順位 | 産業 | 売り上げ(10億ドル) | 売上における割合 |
---|---|---|---|
#1 | 製造業 | $4,687 | 5.4% |
#2 | 情報通信業 | $1,569 | 10.7% |
#3 | 小売業 | $1,198 | 5.1% |
#4 | 公共インフラ事業 | $985 | 6.3% |
#5 | 建設業 | $731 | 4.3% |
1位となった製造業は5Gによって4.6兆ドルも売り上げが上がると予想されています。
効率化が命題となっているこの業界において、5Gはスマートファクトリーを生むと
考えられています。高速で安定した5Gネットワークによって、工場からケーブルは消え、
自動作業は改善します。もっとも重要な点として、さらに多くのデータを集めることができるようになります。
```データを機械学習のアルゴリズムに紐付けることで、高価な機器の故障時期を予測し、
莫大な損失を生むダウンタイムが生じる可能性を下げることができます。
– AT&T Business Editorial
```
恩恵はロボットだけにとどまりません。現在、工場の生産ラインは機械化されている一方で、
何か起こったときのために人間も現場にいる必要があることは変わりません。
効率的な機械化をするには複雑すぎて、人の手が必要な作業もあります。
しかし、これらの作業も5Gによって改善すると予想されています。
5Gの利点である低遅延性によって、VRやARのデバイスでも非常に正確な作業を行うことができるようになるでしょう。遠隔作業の技術が発展すれば、手作業で行うプロセスの生産性も上がり、
機械と連携してできる作業もより増える可能性を秘めています。
事実、AR技術は既に現場で実用化されています
5Gの実用化ロードマップ
上にあげた以外の分野でも、自動運転やドローンなど幅広い分野での実用化が期待されています。
実用分野 | 試験利用 | 実用化 |
---|---|---|
スマートフォン | 2019年 | 2022年 |
AR/VR | 2021年 | 2026年 |
スマート都市 | 2022年 | 2027年 |
電気・ガスなどの計測 | 2020年 | 2023年 |
自動運転 | 2020年 | 2023年 |
ドローン | 2020年 | 2023年 |
工業の自動化 | 2022年 | 2028年以降 |
一部地域では既に試験的利用が始まっている自動運転技術では
複数のセンサーの情報を即座に伝達する必要があり、
5Gによってかなりの進歩を見せています。
異常があったことを判断してからブレーキを踏むまでのロスが
4Gに比べて大幅に短くなったそうです。
自動運転技術が一般化すれば、運送業界は大きく変わるでしょう。
10年先を見据えた変化
5Gの規格による変化は、4Gが普及した時ほどの急激なものではないと予想されています。
まだ実用化は先の話ですが、次の技術発展のために必要な技術として広がっていくでしょう。
現時点では5Gが強く関係する仕事は研究職(またはスマートフォンやsimの販売)にとどまりますので、
結論から言えば5Gは影響がない、と言えるでしょう。
(ISDNからADSLへの変化、よりも身近な影響は薄そうです。)
ですが、間違いなく将来的には普及する重要な変化です。
自分が志望する業界が、5Gネットワークによって将来どのような変化が起きるか
未来を予想してみても面白いですね。
参考文献
VISUAL CAPITALIST
Visualized: Where 5G Will Change The World
https://www.visualcapitalist.com/visualized-where-5g-will-change-the-world/
npr
Google Glass Didn't Disappear. You Can Find It On The Factory Floor
https://www.npr.org/sections/alltechconsidered/2017/03/18/514299682/google-glass-didnt-disappear-you-can-find-it-on-the-factory-floor
npr
Even In The Robot Age, Manufacturers Need The Human Touch
https://www.npr.org/2019/04/30/717233058/even-in-the-robot-age-manufacturers-need-the-human-touch
Gartner
ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20190830
Time&SPACE by KDDI
2020年には自動運転が実用化? 日本初の5Gを活用した公道走行に成功
https://time-space.kddi.com/au-kddi/20190322/2603