給料が高ければ幸せ?国を比べてわかったお金と幸福度の関係
今回はお金の話です。
就職先を決める上で、皆さんは給料のことをどのくらい重視していますか?
『がっつり稼げるところがいい』という人も『お金よりもやりがいが大事!』という人もいるかと思います。
スタッフサービス・ホールディングスが2月に発表した調査によれば、
バブル期だった平成元年の新卒と、平成30年の新卒を比較すると
やりがい重視から給料重視へと変化しているようです。
終身雇用が当たり前、働いただけ給料がもらえる
そもそも給料・ボーナスは多くて当然、というバブル時代から
現実的な価値観へと変化しているのでしょう。
そんなお金の話ですが、果たしてお金で幸せは買えるのでしょうか。
就職活動をするにあたって、自分の人生でどれほどお金が重要なのか
考えるきっかけになれば幸いです。
長きにわたって問われてきた命題ですが、世界統計をみてみると
興味深い結果がでてきました。
お金持ちだと幸せ?
データの話をする前に、ちょっと思考実験をしてみましょう。
大富豪と一般家庭で、例えば持っている資産がいきなり倍になったら
どちらが幸せでしょうか。
大富豪の場合、通帳の残高が増えているのをみて幸せな気持ちになるでしょうが
新しいものを買ったりはしないでしょう。結局、大富豪なのには変わりないのですから。
一方、一般家庭で通帳の残高が増えると
家族サービスもできるし、借金からも抜け出せるし、
ワークライフバランスの改善もできることでしょう。
国ごとの違いでも、同じようなことが言えるようです。
お金と幸福度をデータからのアプローチ
さて、上のグラフを見てみましょう。
フルサイズの画像はこちら
https://www.visualcapitalist.com/wp-content/uploads/2018/03/money-happiness-large.html
上のグラフは各国の一人当たりのGDPと
幸福度のアンケートの結果を分布させたもので
世界銀行とWorld Happiness Report 2017のデータを元に
作成されたものです。
数字によると、左側--一人当たりのGDPが低い国々--ではお金と幸せの相関が強く出ています。
一方、GDPが高くなると物質的な要素が満たされる分、相関はバラツキが強くなります。
ざっくりいえば、一人当たり100万円から200万円に増えると幸せも同様に大きくなります。
300万が600万になっても相関は保持されますが、ばらつきが強くなります。
この分散が話を面白くしています。
お金と幸福度の予測線から外れた国と地域
このグラフの近似直線より上にある国々は
持っているお金で予測されるよりも幸せな生活を、
下にある国々は不幸せな生活を送っていると言えるでしょう。
ラテンアメリカの国は予想よりも幸せであり、
中東の国々はより不幸せという結果が出ています。
カタールは一人当たりのGDPはダントツですが、
より貧しい隣国のサウジアラビア、UAE、オマーンよりも幸福度は低いです。
タイやウズベキスタン、パキスタンは予測値よりも大幅に幸福ですが、
逆に香港、アイルランド、シンガポール、ルクセンブルグは大幅に不幸せとなっています。
お金によらない幸せ
日本はお金で予想されるよりも幸福度は低く、一人あたりのGDPが同程度の
フランス,イギリス、フィンランドなどと比べても一番低くなっています。
今回は大きく国別でみてみましたが、
日本と同程度のお金でもっと幸福度が高いフランスやイギリス、カナダ、
半分以下のお金でもっと幸せなタイやブラジル、メキシコといった国を参考にすれば
お金よりも大切なものが見つかるかもしれませんね。
衣食住の先の幸せは、必ずしもお金で買えるものではないようです。
参考文献
VISUAL CAPITALIST
The Relationship Between Money and Happiness
https://www.visualcapitalist.com/relationship-money-happiness/
World Happiness Report 2017
https://worldhappiness.report/ed/2017/