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FIP制度とFIT制度の違いとは?それぞれの概要もわかりやすく解説

2024.07.02

FIP制度とFIT制度の違いとは?それぞれの概要もわかりやすく解説

2012年にスタートしたFIT制度により、多くの一般住宅や企業で再生可能エネルギーの導入が進みました。その一方で、国民が負担する再エネ賦課金が年々上がっているなどの課題も見受けられます。

FIT制度の課題を解決するため、新たに2022年4月にスタートしたのがFIP制度です。再生可能エネルギーで発電した電力を、市場電力価格と連動させて取引することで、FIT制度の課題を解決することが期待されています。

本記事では、FIP制度とFIT制度の違いや、FIP制度のメリット・デメリットなどを詳しく解説します。

■FIP制度とFIT制度とは?違いも解説
まずは、FIP制度・FIT制度それぞれの概要と違いについて解説します。

□FIP制度とは?
FIPとはフィードイン・プレミアム(Feed-in Premium)の略であり、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を売買する際に、価格にプレミアムと呼ばれる補助金が上乗せして支払われる制度を指します。

売電収入にプレミアムを上乗せすることで、発電事業者が卸電力市場などに電力を販売した際にも採算が取れるよう配慮されています。参照価格は1カ月ごとに変動しますが、プレミアム価格は常に一定であることが特徴です。式にすると以下のようになります。

・基準価格(FIP価格)=参照価格(市場取引等により期待される収入)+プレミアム

基準価格とは、再生可能エネルギーを供給するために必要な費用の見込み額であり、FIP制度開始から20年間はFITの価格と同じ水準になるとされています。参照価格とは卸電力市場で期待できる売電収入であり、市場価格と連動しています。

FIP制度は、再エネ化が進んでいるドイツなどでは2010年代からすでに導入されていますが、日本では前述のとおり、2022年4月に導入された比較的新しい制度です。事業者の投資インセンティブを促すことで、再生可能エネルギーを主力電源にするために必要な制度として導入されました。FIP制度は50kW以上のすべての発電所が対象ですが、1,000kWまでの発電所はFITを選ぶことも可能です。

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