【27卒】企業分析のやり方とは?4ステップで就活生に向けて解説
「企業分析がしたいけれどやり方がわからない」
「企業分析を進めるために、何を調べればいいかわからない」
このように感じている就活生の方もいるでしょう。
公式サイトを読んだだけで企業分析が終わってしまったり、良いところだけ見て判断してしまったりすると、志望動機や面接でうまく話せない原因になります。この記事では、就活生が企業分析を進めるときに押さえたいポイントを、4ステップで分かりやすく整理します。
企業分析におけるよくある失敗と対処法も紹介するので、就活を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
企業分析の目的
企業分析を始める前に、その意義を正しく理解しておきましょう。
選考を受ける企業を分析する目的は大きく以下の4つです。
企業の特徴を理解するため
企業分析は、企業の特徴を理解するために重要であると言えます。
その理由としては、企業の考え方やスタンス、さらには事業内容・企業規模・社風・勤務条件などは、同じ業界でも企業によって異なるからです。
例えば、安定志向の企業もあれば、リスクを覚悟で新しいビジネスに着手する企業もあり、事業に対する向き合い方は、同業界の企業で合っても大きく異なります。
そのため、業界全体の特徴を理解したうえでそれぞれの企業の特徴を知る必要があり、情報収集を行い、複数の側面から企業を分析していくことがポイントとなるでしょう。
▼企業の特徴を知るために就活サイトを有効に活用することをおすすめします。
以下の記事が参考になりますので是非読んでみてくださいね。
【26卒・27卒最新】人気就活サイトおすすめ9選比較!サイト毎の特徴やメリットをご紹介。
自分との企業の相性を見極めるため
企業や業界の特徴を理解した上で、自分とマッチする業界・企業はどこにあたるのかを見極める必要があります。
例えば入社当初からスピード感を持って自分のスキルアップがしたいと考えている方が、安定志向の企業に入ってしまうと目的が叶えられません。
逆に安定してゆっくり成長していきたいと考えている方が、リスクを取りながらも新しいことにどんどんチャレンジしていく企業に入ってしまうと、心身ともに疲弊してしまいます。
まずは、自己分析で自分の考え方を分析して、企業分析で企業の考え方を分析することが重要です。そして、企業の考え方と自分の考え方がマッチする企業を見極めて、志望企業をリストアップするとよいでしょう。
志望動機・自己PRの根拠を作るため
企業分析をすると、その会社が大事にしている考え方や求める人物像が見えてきます。
すると、自分の経験のどこを強調するべきかを考えられて、志望動機と自己PRが企業に刺さりやすくなります。
面接でも、思いつきで言葉を並べるのではなく、調べた内容を根拠にして話せるようになるでしょう。結果として、話に一貫性が出て説得力が増し、内定獲得に繋がりやすくなります。
選考や面接での質問に対応するため
就活の面接では、事業内容や競合との違い、なぜこの会社がいいのかをよく聞かれます。企業分析が浅い状態では、質問に対して答えがふわっとしてしまい、深掘りされたときに詰まりやすいです。
一方で、企業分析を通してあらかじめ強みや課題・最近の動向などを押さえておけば、質問の意図に合わせて答えを組み立てられます。
結果として、面接時の受け答えの質が上がり、面接官から高い評価を受けやすくなるでしょう。
企業分析の流れ4ステップ
企業分析の具体的な進め方は以下の4ステップです。
どのように進めるのか、各ステップについて解説していきます。
①対象企業が属している市場のことを知る
まずは、企業がどの市場に属しているか、その市場はどんな市場なのかを知ることが必要です。
属している市場を知ると、入社後、企業自体をどのようにしていきたいか、世の中をどのようにしていきたいかなど、自分自身の意見が生まれます。
知っておくべき市場感として以下の2つがあります。
市場規模や成長率など全体感を把握する
市場規模や成長率などの全体感を把握することで、市場そのものの持つ方向性や成長規模が、分析対象企業の目指す方向性とマッチしているか判断する目安となります。
例えば、市場の成長率が高く、同じように企業も成長しているのであれば、市場と企業の目指す方向性はマッチしています。
逆に、市場の成長率が高いのにもかかわらず、企業の成長が鈍化している場合は、市場に取り残されていると判断することが可能です。
市場の成長率が低いのにもかかわらず、成長を続けている企業であれば、その市場のオンリーワン企業であると言えるでしょう。
「分析対象の企業が市場の成長と合わせて成長しているかどうか」
「市場自体が立ち上がり段階・成長段階・成熟段階・衰退段階のどこにいるのか」
という観点を踏まえ、データに基づいて分析をすることで、正しく客観的な視点で企業への理解を深められます。
マーケットにいる消費者のインサイトを探る
マーケット内の消費者のインサイトを調査することも大切です。
消費者のインサイトとは、消費者自身が意識していない購買行動の本音を指します。
消費者は、購買行動に裏付けられた本当の欲求や、自身の行動の理由を自覚できていないことが多いです。また、価格や品質を比較して商品を購入していた時代から変化し、消費者が商品を購入する理由が変わってきています。
そのため、気づいていない欲求や行動の理由を紐解いていくことで、新たなニーズを掘り起こすことが可能です。
消費者が企業のサービスに対する見方や、どのように購買しているかを把握することによって、より深く分析対象の企業について知ることができるでしょう。
②対象企業の市場での立ち位置を調べる
企業分析において、市場の中での企業の立ち位置を調べることも重要です。
市場には競合企業や同様のサービスを展開している企業が存在し、その中で分析対象の企業がどのような立ち位置にいるのかを理解することで、主観やイメージのみに頼らない、データから見た強みや状況を把握できます。
以下の2つのポイントを押さえて企業の立ち位置を正しく理解し、相対的な分析を行いましょう。
売上高やマーケットシェアなどの数値を見る
売上高や市場シェアを把握することで、客観的なデータから判断した市場の魅力や分析対象の企業のポジショニングを理解でき、企業にとって必要な施策の提案することができます。
具体的には、成長性分析という手法を取ると、売上高や総資産の規模から、どれくらいの成長を見せているかが判断可能です。
また、市場シェアを確認すると、市場の中での重要度や影響力がわかるため、企業ごとのポジションや市場動向が把握でき、これからを予測できます。
こういった具体的な動向を考えることで、企業分析をもとに、より深い考えを生み出すことができるでしょう。
商品やサービスの強みを探る
商品やサービスの強みを調査することで、企業の強みを理解しましょう。
企業には必ず、属している市場へ何をどのように提供しているのか、その仕組みや戦略を持っています。
同じ市場でも、それぞれの企業がさまざまな商品・サービスでアプローチを行います。例えば、シェア率や品質、価格などの優位性を保てるポイントを理解することで、企業の持つ商品・サービスの強みが見えてきます。
「どのような商品・サービスで売上や営業利益を作っているのか」「新しく展開している事業は何か」という細かな部分まで探ることで、企業の強みを理解することができるでしょう。
③対象企業の事業戦略や社風を知る
分析対象企業の事業戦略や社風を理解しておきましょう。
企業がどのようなマインドや戦略を持って成長してきたかを理解することで、自分自身と企業がマッチしているか判断できます。
企業の方向性や目標が、自分の考えと合っているかどうかを確認するためにも、以下のポイントを踏まえて事業戦略や社風を調べてみましょう。
過去にどのようにして事業拡大をしてきたか把握する
過去の事業拡大の歴史を把握することで、その企業の思惑や戦略の背景、考え方を理解できます。
例えば、スピード感を持って事業拡大を行っている企業であれば、リスクを取りながらもチャレンジしていくマインドがあると言えます。
逆に、慎重に事業拡大を行っていく企業であれば、安定志向で保守的なマインドで経済活動を行っていると判断できます。
以上のように、今までの事業拡大の流れを知ることで、企業の考え方とそれに基づく方向性の理解を深められます。
経営理念・マインドと事業の関係性を調べる
経営理念(企業の理想像)と事業の関係性を調べることで、将来の展望を把握することができます。
利益率の高さや成長性などを見て、事業の拡大や方向性を設定することが多いですが、中にはそういった指標よりも、経営理念を優先して考えることがあります。
今までどのように事業を進めてきたかが分かるため、市場での現在の立ち位置に至るまでの考えを理解することが可能です。
経営理念と事業は深く関わりあっており、これからの企業の方針や展望を読み取ることができるでしょう。
④競合企業との違いを比較する
競合企業と比較することで、企業の持つオリジナリティを発見し、企業への志望理由を明確にすることができます。
また、同業他社と比較した際にどのようなところが優れているかを尋ねられることもあります。考えを固めるためにも競合他社との差異を比較することは重要です。
売上・シェアだけでなくサービスや商品の差異を見つける
多角的に競合他社と比較し、差異を見つけられれば、具体的な魅力を発見できます。
例えば、売上やシェアというデータのみでは、市場での立場が低い企業があります。
数字的には魅力を感じないかもしれませんが、その企業が持つ商品やサービスがどのような優位性を持っているのかを理解すると、将来性や今後のシェアの安定性を見出すことができます。
多角的に分析し、本当に自分にとって魅力的な企業を探しましょう。
ビジネスモデルやマネタイズの違いも分析できると良い
企業ごとのビジネスモデル・マネタイズの違いを分析することも重要です。
同業界でも企業ごとのビジネスモデル・マネタイズがあり、どんな顧客に向けたサービスをどのように展開しているのか、どこで利益が生まれているのかが、企業分析を通して理解することができます。
もし、ビジネスモデルやマネタイズを知らないと、いざ自分で働いてみると、過酷な営業活動があったり、対企業ではなく一般顧客に対してアプローチをかける仕事であったり、と抱いていたイメージと異なる可能性があります。
実際に働いてからのミスマッチをなくすためにも、ビジネスモデルやマネタイズの違いを分析し、それぞれの企業の経済活動の形について把握して、自分が企業に求めているものかどうかを判断しましょう。
企業分析の情報収集のやり方5選
企業のリアルな姿を知るためには、Webサイトだけでなく多様な情報源を活用することが大切です。具体的かつ効果的な5つの情報収集方法を紹介します。
企業サイトやIR資料を閲覧する
各企業の企業サイトや、株式公開している企業ならIRや決算発表資料を閲覧すると、エントリーシート・面接の対策が行えます。
このIR情報は企業が投資家に向けて発信している情報であるため、企業の実態を客観的に理解することが可能です。
IR情報には、複数の内容が含まれており、企業の純資産や経営成績、事業別売上高、有価証券報告書などがあり、企業の安定性や成長性、企業の強み・弱み、社員の平均年収まで把握できます。
IRと合わせて掲示される決算発表資料も確認すると、四半期ごとの企業の動向やサービスの展開について理解が深まるでしょう。
OB・OG訪問をする
OB・OG訪問をすることで、本当に自分とマッチする職場かどうかを理解することができます。それは、IR情報や企業のサイトを検索しただけでは得られない、働いている人の生の声が聞けるからです。
例えば、入社後のリアルな仕事内容、社員同士の関係性、キャリアプラン、産後休暇・育児休暇は取らせてもらえるのかなどを聞けます。
企業サイトやIR情報だけでは解消されなかった疑問点を解消し、納得した上で企業を志望できるでしょう。
OB・OG訪問について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【OB訪問でライバルに差をつける】面接等の本選考に生かせる質問集
業界地図で調べる
業界地図は、特定の業界全体の構造を地図のように視覚的に理解することができます。
各業界の主要な企業とその相関関係などが一目でわかり、志望する企業が業界内でどのような立ち位置にいるのか、競合他社はどこなのか、また、親会社や子会社、関連企業との関係性を客観的に把握することが可能です。
そして、まだ知らない優良企業や高い技術力を持つ企業を発見するきっかけにもなります。
業界の最新動向や今後の見通しについても解説されているため、企業分析の初期段階で全体像を掴むために非常に有効な手段と言えるでしょう。
新聞・ニュースをチェックする
新聞やニュースは、企業の「今」を知るための重要な情報源です。
企業のウェブサイトや採用ページには載っていない、リアルタイムで客観的な情報を得ることができます。特に経済新聞やビジネスニュースサイトを活用し、志望企業や業界に関する最新情報を毎日チェックする習慣をつけましょう。
例えば、新製品の発表や業務提携やM&A(合併・買収)、決算情報、不祥事といったニュースは、その企業の経営戦略や財務状況、将来性を判断する上で欠かせない材料となります。
社会の動向と企業活動を結びつけて考えることで、より多角的で深い企業分析ができるでしょう。
インターンシップや座談会に参加する
インターンシップや社員との座談会は、企業の内部情報に触れることができる貴重な機会です。
ウェブサイトや資料だけでは決して分からない、社内の雰囲気や企業文化、社員の方々の人柄を肌で感じることができます。
実際に働く社員の方から、仕事のやりがいや厳しさ、キャリアパス、職場の人間関係など、具体的な話を聞き出せるのが大きなメリットです。
また、企業のビジョンや事業戦略について、現場の視点からどのように捉えられているかを知ることもできます。
積極的に質問や対話をし、その企業で働く自分の姿を具体的にイメージすることで、ミスマッチを防ぐことができるでしょう。
企業分析におけるよくある失敗と対処法
ここでは、企業分析におけるよくある失敗と対処法を紹介します。理解しておくことで、効率良く企業分析を進められるでしょう。
公式サイトの情報を確認するだけで企業分析を終えてしまう
公式サイトはもちろんチェックしておくべきですが、会社が見せたい情報をメインに構成されていることが多いです。事業内容や理念を読んだだけで満足すると、実際の働き方や課題が見えにくくなります。
対処法としては、有価証券報告書や決算資料、ニュースリリースも確認することをおすすめします。あわせて、口コミサイトやOB・OG訪問で現場の話も聞いておくことで、違和感がないか確認できるでしょう。
複数の手段で企業分析を進めることで、情報が偏りにくくなります。
企業の良い面だけを見て判断してしまう
企業分析では、成長性ややりがいなど前向きな情報に目が向きやすいです。
しかし、良い点だけを集めて判断すると、入社後にギャップを感じる原因になります。どの企業にも課題や大変な部分はあり、それを知ったうえで納得できるかが大切です。
たとえば、仕事の進め方や求められる役割の幅、環境の変化の多さなどは、人によって向き不向きが分かれます。良い面と気になる点を並べて整理し、自分がどこまで受け止められるかを考えましょう。
競合企業と比較せずに分析してしまう
企業分析を1社だけで終えると、その会社の良さや弱みが見えにくくなります。なぜなら、一見すると強みに見える点も、業界では当たり前である可能性があるからです。
そこで、同じ業界や近い事業を持つ企業を2〜3社選び、同じ軸で比べてみましょう。たとえば、「誰に何を提供しているか」「強い商品やサービスは何か」「最近どんな取り組みをしているか」などを整理します。
比べると違いがはっきりし、会社の特徴を自分の言葉で説明しやすくなります。結果として、その企業を選ぶ理由も作りやすくなるでしょう。
企業分析を志望動機や面接回答につなげられていない
企業分析に取り組んでいるものの、メモが増えるだけで終わってしまう人も少なくありません。大事なのは、集めた情報を自分の経験や価値観と結びつけることです。
まず、その会社が大事にしていることを3つに絞りましょう。次に、自分の経験の中から近いエピソードを選び、共通点と学びを書き出します。
最後に、入社後にどう貢献したいかまで一文でまとめると、志望動機と面接回答が自然につながります。
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まとめ|企業分析のやり方をマスターして就活を成功させよう!
企業分析は、企業を知るためだけでなく、自分に合う会社を選んで面接で自信を持って話すために欠かせないものです。
まずは、対象企業が属している市場のことを調べ、市場の中での立ち位置を知りましょう。その上で、対象企業の事業戦略や社風、競合企業との違いを比較することで、就活を有利に進められるような企業分析ができます。
完璧に調べ切ろうとすると手が止まりがちなので、目的を決めてから必要な情報を集めるのがコツです。
ぜひ、本記事の内容を参考にして、正しい手順で企業分析を進めてください。