10歳までは無口な少年でした。

自分の思考や感情を言葉で表現することが苦手だったからです。

「人に何かを伝えたい」という欲求を満たせない歯痒さ。次第に、憤懣へと変化する不満を上手く処理できないもどかしさ。そのような悶々とした日々に苦しめられました。

12歳になり、本を読むことが趣味であったドッチボールに取って変わりました。

ありありと綴られた文字の連なりが、さも、自分の内なる想いを代弁してくれているかのように感じたからです。

形のない自身の思いに輪郭を持たせることができたのは、おそらく、本を通じてたくさんの言葉を覚えたからでしょう。

しかし、今でも言葉で言い表せない思いを抱いたときには、低気圧で頭の芯が揺れるような、ある種のストレスに悩まされます。

より良く、より正確な情報を発信するためにも、より多くの語彙に触れ、日々新しいモノを吸収しなければならないと痛感します。

読書が趣味となってから10年が経ちましたが、精度の高い意思疎通を図っていけるように、これからも学び続けていきたいと思います。