面接・選考テクニック 2021.02.26
リファラル採用では特に注意!就職差別につながるタイプ別NG質問集
リファラル採用と言う言葉が一般的になってきました。
リファラル採用とは、社員とつながりのある友人・知人を紹介してもらい採用する方法で、
リファラルリクルーティングとも言われています。
社員が人柄をよく知った人を紹介し、また相手は社員から会社についての話を聴けるため
企業と応募者の間で起こる採用のミスマッチが起こりにくく、定着率の向上が期待できる手法です。
さて、他の選考と比べ親密な関係を築きやすいリファラル採用ですが、
採用選考の場面では求職者と企業。
気軽になんでも聞いて良い、とすると危ないかもしれません。
この記事では、採用選考でしてはいけない、就職差別につながる質問について紹介していきます。
## 就職差別とは
**就職差別**と言葉を聞いたことがありますか?
企業が"採用選考"の中で求職者の情報を集める際に、
仕事とは関係ないこと・本人にはどうしようもないことで採用を決定することが就職差別につながるとされています。
> 就職差別とは、雇用者が応募者の資質・能力・適性と関係のない事柄や、本人の責任でない事項などで、採用・不採用を決定することをいいます。
就職差別に関する相談について — 大阪市立大学
(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/education/career_support/jobhunt/discrimination)
## 厚生労働省による、採用選考の基本的な考え方
厚生労働省は採用選考の方針について
- ** 応募者の基本的人権を尊重すること**
- ** 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと**
の2点が大切だと提示しています。
また、公正な採用選考を行うために、
- ** 雇用条件・採用基準に合った全ての人が応募できる原則を確立すること**
- ** 本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしないこと**
と言うことが基本だと述べています。
**就職の機会均等**を達成するために、
これらの内容を雇用する側が守って、公正なな採用選考を行うことが必要です。
参考 就職差別に関する相談について — 大阪市立大学
(https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/education/career_support/jobhunt/discrimination)
## 公正なな採用選考のために、採用選考でNGな質問例
先に述べたように、仕事とは関係ないこと・本人にはどうしようもないことを採用可否の判断材料としてはいけません。
言い換えれば、選考の中でそういった情報を集めようと応募用紙へ記載させたり面接で質問することは、
就職差別につながる恐れがあります。
それぞれのカテゴリごとに、具体的なNG質問をみてみましょう。
### a.本人に責任のない事項の把握
#### 1 本籍・出生地に関すること
アイスブレイクでもよく使う「ご出身はどちら?」という質問は、採用選考ではNGです。
質問でなくとも、選考段階で「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します。
***NG質問例***
「ご出身はどちらですか?」
「訛りがありますが〜〜の方出身ですか?」
#### 2 家族に関すること
本人の職務経歴の把握は当然問題ありませんが、家族の職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産などを聞くことはNGです。
***NG質問例***
「ご両親は仕事はされていますか?どんな仕事をされていますか?」
「お子さんはおられますか?」
「兄弟もエンジニアですか?」
#### 住宅状況に関すること
通勤方法に関わることは問題ありませんが、間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設などを聞くことはNGとされています。
ただ、リモートワークが普及している昨今では「在宅でも仕事ができる環境か」という情報の把握は
仕事に関係があるとみなされる可能性があるでしょう。
***NG質問例***
「家は寝室は別ですか?何部屋ありますか?」
「お住まいは集合住宅ですか?」
「近くにスーパーはありますか?」
#### 生活環境・家庭環境などに関すること
適性や能力に関係ない生活環境・家庭環境についてもNGとみなされる場合があります。
***NG質問例***
「家事・育児は夫婦で分担していますか?」
「台所に冷蔵庫は置いていますか?」
### b.本来自由であるべき事項の把握
仕事にかかわらない、思想や信条といった自由であるべき内容も
採用選考の質問として把握するとはNGになります。
#### 宗教に関すること
宗教法人であったり、特定の宗教に関わる仕事出ない場合は、就職差別にあてはまる可能性があります。
***NG質問例***
「なにか宗教に入られていますか?」
「キリスト教系の大学ですが、あなたはキリスト教ですか?」
「家のお墓は何宗ですか?」
#### 支持政党に関すること・尊敬する人物に関すること
支持政党に関する質問も、特定の政党に深く関わる仕事出ない限りはNGです。
***NG質問例***
「現在の与党を指示していますか?」
「アメリカの大統領選はどちらを指示していますか?」
「あなたの尊敬する人はだれですか?」
#### 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
***NG質問例***
「前職では労働組合に参加されていましたか?」
「社会活動のボランティアに参加したことはありますか?」
#### 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
特定の出版社や出版物に関係ない仕事の場合は、愛読書なども本来自由であるはずなのでNGになり得ます。
***NG質問例***
「日経新聞は購読していますか?」
「あなたが一番感銘を受けた本はなんですか?」
#### 男女雇用機会均等法に関わること
***NG質問例***
「結婚、出産しても働き続けられますか?」
「結婚の予定はありますか?」
## カルチャーフィットを測りたい時はどうするの?
入社後にメンバーとうまくやっていけるか?というカルチャーフィットを測りたいこともあります。
**採用選考**として関係ない部分で、人との相性をみたい、
そんな時は選考とは別として**カジュアル面談**や**社内イベント・飲み会**に誘ってみると良いでしょう。
リファラル採用でしたら、「選考する前に一度あって話を聞きたい」ということも比較的簡単に行えますので
メンバーとざっくばらんに話し、「お互いにうまく仕事をやっていけそうかな?」
と思ったら採用選考へ移るのが良いかもしれません。
## 就職差別につながるタイプ別NG質問集 まとめ
意図していなくてもつい雑談のように聞いてしまうような質問でも、注意が必要な物が多くあります。
「仕事ができるかどうかの採用選考として聞きたいこと」
「仲良くできるかどうかの人物を知るために聞きたいこと」
を分けて考えることが大切かもしれませんね。
リファラル採用、在宅ワークのように仕事とプライベートの間が近くなるケースでは
特に注意して選考を進めていきましょう。
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