誤解されている働き方改革。正しく理解してキャリア選択を。
「働き方改革」って聞いてどのようなことをイメージされますか?
メディアの報道などの影響で、
働きやすくなることだけがフォーカスされ、誤解されていることも多いと思います。
そこで今回は「働き方改革」についてしっかりと分析し、
正しい理解のもと、今後の働き方改革について自分たちが今何をすべきなのか考えていきたいと思います。
働き方改革」とは?
「働き方改革」は政府の重要政策のひとつに位置づけられていて、
多様な働き方を可能にする社会を目指しています。
日本の人口は2008年をピークに減少に転じています。
人口が減れば、労働力不足となります。
この労働力不足を解消させる為、働き手を増やし、出生率を上昇させ、労働生産性を向上させる必要があります。
これを実施させようとする政策が「働き方改革」です。
働き方改革実現進会議が提出した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が
2018年6月29日に可決・成立し、2019年4月から施行されます。
この法律は、「長時間労働の是正」、「正規・非正規の不合理な処遇差の解消」、「多様な働き方の実現」という3つが柱になっています。
※内閣府HPより
働き方改革って何を目指すのか、厚生労働省のHPでも下記のように取り上げられています。
```我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」
「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、
就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、
多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
```
つまりは人口減るし、生産性上げてこうということですね。
働き方改革で変わること
雇用と労働を所管する厚生労働省では、3つの柱を持つ「働き方改革」の実現に向けて、
下記の7つを具体的な取組みとして挙げています。
(1)非正規雇用の待遇差改善
(2)長時間労働の是正
(3)柔軟な働き方ができる環境づくり
(4)ダイバーシティの推進
(5)賃金引き上げと労働生産性向上
(6)再就職支援と人材育成
(7)ハラスメント防止対策
メディアでは残業やめろ〜セクハラするな〜などが取り上げられているので
誤解されがちだったりするのですが、
シンプルに考えて、企業の営利活動は変わらず、向上を目指すのは変わりません。
働き方改革なので、営業目標下げますね〜なんて会社1社も聞いたことがないですよね。
短時間労働で結果出せよ。ということが問われる時代になってきたと言えます。
先日、トヨタ自動車の社長が
「終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきた」
という認識を示し、経済界に激震が走ったのは記憶に新しい方も多いのではないかと思います。
その他、経団連の中西会長も「終身雇用は制度疲弊」と述べていますし、
誰もが知ってる大企業が次々にリストラ、早期退職を実行し出しています。
「45歳 リストラ」
とググってみてください。今の大企業の現実が見て取れます。
そう。”終身雇用”は確実に終わりを迎えました。ようこそ新しい世界へ。
この企業構造の変化は、働く人を大きく2つに分ける形になります。
働き方改革でモロにダメージを受ける人
仕事で成果を出さず、組織にぶら下がっている人達はリストラの対象となるでしょう。
成果は出さないけど給料はもらう、こういう社員を雇う余裕のある会社はどんどん少なくなります。
いわゆる給料ドロボーが甘えていられる会社はなくなっていくということです。
働き方改革でラッキーチャンス到来な人
一方、スキルや経験のある人、成果を出せる人、ビジネス戦闘力の高い人にとってはチャンス到来です。
人材の流動化が進むことで、自分が望む会社で望む形で働くチャンスが増えるということです。
新卒で入るのは難しいような有名企業に転職や業務委託として働く可能性がどんどん広がっています。
では、自分自身がラッキーチャンスを掴み続ける人になるためにはどうしたら良いのでしょうか?
答えは成長し続けること。これしかないです。
そのためには、学び・挑戦し続けること が大事になってきます。
これまでは、教育を受け、1社のみに勤め、退職を迎える3ステージの時代でしたが
これからは、学ぶと働くことが混ざり合いながら続くというマルチステージの時代に入りました。
ちなみに、社会人になってからも学ぶと働くを繰り返すことをリカレント教育と言います。
これからの時代、組織に安定はありません。安定は”個人”に紐づく時代です。
個人で安定というのは、言い換えると、個人が市場に放り出されても様々な企業からオファーが来る状態。
これがこれからの時代の本当の意味での安定ではないでしょうか。
会社に自分の人生の運命や選択を任せるのではなく、成長し自分の力で将来のキャリアを築いていく。
就活においてもそんな考え方が必要になってきている時代です。
だからこそ若い頃の働き方、仕事への向き合い方が非常に重要になってきています。
20代全力で学び、挑戦し、成長できる環境を選択することが、その後の人生への最大で最高の投資と言っても過言ではいと思います。
その観点から考えると、若いうちから裁量権を持ちバリバリ挑戦できるベンチャーという環境は
終身雇用が終わった今の時代のファーストキャリア・セカンドキャリアの選択として大アリなのではないでしょうか。
ちなみに、働き方改革で今度淘汰されうる人と、求められていく人についてご紹介ましたが、
最近学生から下記のような質問を多くいただきます。
「大手企業にいくべき?ベンチャーにいくべき?」
「大手企業からベンチャーへの転職は楽なんですか」
「まずは大手に入ってからベンチャーに行こうかなと」
「基礎を身につけてから30歳前後でチャレンジする予定」
大手に行くべき?ベンチャーに行くべき?
はっきりいって答えは人それぞれ正解が違います。
そして正解という表現にも語弊があり、最適解に自分自身でするしかない、というのが正しい表現だと思います。
働き方改革が提言されるようになり、
そのタイミングでコロナがあり、リモートワーク が急速に普及。
それにより、自立・自立・自走できる人間が重宝されていく社会構造により変化を遂げています。
コロナによる不況と働き方改革で、生き残る人間と淘汰される人間がより顕著になったわけです。
そのため、一概に大手企業やベンチャー企業といった枠組みで語るのも難しいようになったことを感じています。
大手企業でもリモートワーク を導入できた会社と、できなかった会社、
ベンチャーでも同様にリモートワーク を導入できた会社と、できなかった会社が存在します。
ビジネスモデルの影響もありますが、経営者の考え方も大きく起因していると考えます。
確かに、確率論の問題で、大きな組織と小さな組織では
意思決定のスピードやフローなどに差はあります。
なので、大手企業なのかベンチャー企業なのかという枠組みよりも
自分自身の重要視する価値観が何なのか。それに合う会社がどこなのか。
また、それを作っていく側に立ちたいのか、など目指す方向性や
自身のキャリアプラン、ライフプランと照らし合わせることが大事だと思います。
そして最後にこれだけは伝えておきたいこととして
大手企業で活躍する人もベンチャー企業で活躍する人も、
入社までの意思決定よりも、そこで覚悟を決めた後の行動量、行動力で
結果を掴み、最適解に結果的にした、ということは共通して言えるでしょう。
今後も働き方改革は進んでいくことと思いますが、
楽になった、という変な感覚を捨て、
働き方改革を正しく理解してキャリア選択に生かしていきましょう。