マーケティングとはどんな仕事?就活生向けに解説!向いている人の特徴も紹介
「マーケティングの仕事に興味はあるが、自分に向いているか分からない」
「専門的で難しそうだが、どんな人が活躍しているのだろうか?」
そんな疑問や不安を抱えていませんか。
本記事では、マーケティングの仕事の基本から、マーケティングに向いている人に共通する「6つの適性」を徹底的に解説します。さらに、今からできる具体的なアクションも紹介しておりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
マーケティングとはどんな仕事?
マーケティングは、製品やサービスをユーザーに届け、利益を得るために、市場のニーズを調査・分析し、どの層に、どのタイミングで、どのチャネルを使ってアプローチするかを設計することを指します。
具体的には、新商品開発や既存商品の改善、価格戦略、販路選定、広告・プロモーションの企画などが挙げられます。また、Web広告やSNS運用、SEO対策といったものも重要な要素です。
さらに、マーケティングは単なる販売促進ではなく、消費者との長期的な関係構築やブランド価値の維持・向上を目的としたコミュニケーション活動でもあります。
このようにマーケティングの仕事は、数値やデータの分析、論理的な戦略設計、クリエイティブなアイデア提供、社内外との調整能力など多様なスキルを要し、非常に多面的で魅力的な職業であるといえるでしょう。
マーケティング職の具体的な仕事内容
市場調査を行い、ユーザーのニーズやトレンドをつかむ
マーケティング職の出発点は、ユーザーの今の気持ちや世の中の流れをきちんとつかむことです。アンケートやインタビューを通じて「どんな商品が欲しいか」「どこに不満を感じているか」を集めていきます。
あわせて、ネット上の口コミやSNSで話題になっているテーマをチェックし、流行の変化も追いかけます。こうした情報をただ集めるだけで終わらせず、「なぜこう感じる人が多いのか」という背景まで考えることが大切です。
ユーザーの本音を知ることで、新しい商品企画やプロモーションの方向性が見えやすくなります。
競合や市場環境を分析し、自社の戦略を考える
マーケティングでは、自社だけでなく競合の動きや市場全体の状況もチェックします。他社の商品ラインアップや価格帯、キャンペーン内容を調べることで、自社との違いが見えてきます。
また、市場の成長性やユーザー数の変化を確認し、そもそもどれくらいチャンスがある分野なのかを把握します。そのうえで、自社はどこで勝負すべきか、どの強みを押し出すべきかといった戦略を考えていきます。
単に真似をするのではなく、「うちならではの価値は何か」を言語化する作業が重要です。
ターゲット像・ペルソナを決めて購買までの流れを設計する
マーケティング職は、商品を誰に届けたいのかを明確にする役割も担います。年齢や性別、生活スタイルなどを整理し、代表的なユーザー像としてペルソナを設定します。
その人がどんな生活を送り、どんな悩みを持ち、どのタイミングで商品を知るのかを具体的に想像していきます。あわせて、認知から興味、比較検討、購入に至るまでのステップをストーリーのように整理します。
どこで広告を見て、どの情報に触れたときに一歩前に進むのかを考えるイメージです。ターゲット像と購買までの流れがはっきりすると、適切なメディア選びや企画づくりがぐっとやりやすくなるでしょう。
商品やサービスの魅力を伝える企画・プロモーションを行う
市場やターゲット像が固まったら、実際に商品やサービスの魅力を伝える企画をつくります。キャンペーンのテーマを決めたり、キャッチコピーやビジュアルの方向性を考えたりする仕事です。
自社サイトやSNS、広告媒体など、どのチャネルを組み合わせるかも検討します。ユーザーが思わず反応したくなる切り口や、共感しやすいメッセージを考えることが重要です。
また、マーケティング職は営業やデザイナーなど他職種と連携しながら企画を形にする仕事も担います。クリエイティブな要素と、ビジネスとして成果を出す視点の両方が求められるのです。
施策の結果を分析して次の改善につなげる
マーケティングは企画して終わりではなく、その結果をきちんと振り返るところまでが仕事です。広告を出した後のクリック数や購入数、SNSの反応などを確認し、どの施策がうまくいったのかを分析します。
予想より成果が出なかった場合には、原因を探して改善案を考えます。ターゲット設定がずれていたのか、メッセージが伝わりにくかったのかなどを一つずつ検証していきます。この繰り返しによって、次第に成果の出やすいパターンが見えてくるのです。
感覚だけで評価するのではなく、数字とユーザーの反応を手がかりに学びを整理する姿勢が大切です。
マーケターに求められる6つのスキル
数字・データ分析力
マーケティングでは日々膨大な市場データやクリック率、売上推移などを扱い、そこから仮説を立てて施策を組み立てます。
特にWeb広告やSNS運用では、Google Analyticsやアクセス解析ツールを使いこなし、PVやCVを数値で追うことが日常になります。
そのため、データの傾向を読み解き、「なぜ売上が伸びたのか」「どの施策が効果的だったか」を明確に理解し、それを次の戦略に反映できる論理的な姿勢も不可欠です。
したがって、「数字に強く分析力がある人がマーケターに向いている」といえるでしょう。
ユーザー視点の共感力
あらゆるマーケティング施策の出発点は、「ユーザーが本当に求めているものは何か?」という問いにあります。
ターゲットとなるユーザーの立場に立ち、その人が何に喜び、何に悩み、どのような状況で購買を決断するのかを深く想像する共感力が不可欠です。
データ分析だけでは見えてこない、ユーザーへの深い理解こそが、心に響くメッセージや、真に価値ある商品・サービスの開発へと繋がっていくでしょう。
創造力・クリエイティブな思考
市場の競争が激化する中、施策の目を引く要素や差別化は欠かせません。そのため、クリエイティブなアイデアを出す力と、そのアイデアを論理的に具現化する能力の両方が不可欠です。
したがって、文章や画像、動画を使ってメッセージを届けるスキルや、ユーザーに刺さる表現方法を常にアップデートできる人は、マーケターに向いているといえるでしょう。
コミュニケーション能力やチーム力
マーケターの仕事は一人では完結せず、多くの関係者を巻き込みながら進行します。
社内の営業、開発、デザイン部門のメンバーはもちろん、社外の広告代理店や制作会社といったパートナーとも緊密に連携する必要があります。
そのため、自らが描く戦略や企画の意図を、相手に分かりやすく説明する力は不可欠です。
同時に、各方面からの要望や意見を正確に汲み取る傾聴力も重要となり、プロジェクトを円滑に進める役割を担うといえるでしょう。
好奇心やトレンド感度
マーケティング領域は日々進化し、SNSのトレンドの変化や、プラットフォームのアップデートは頻繁に起こります。そのため、最新の情報に常にアンテナを張り、迅速に反応して施策に反映する感度が重要です。
例えば、TikTokやXで人気のコンテンツ傾向を追い、似た形式で自社商品に応用できる可能性を発見するなど、日常の習慣として情報収集を欠かさない人材が向いているといえるでしょう。
柔軟な思考と粘り強さ
マーケティングは、一度の施策だけで成功が実現するわけではありません。むしろ「失敗→検証→改善→再チャレンジ」というPDCAサイクルを粘り強く回し続ける力が求められます。
特にWeb広告においては、効果が出ない原因を分析し、即座に改善策を打つ対応力が重要です。また、市場の些細な変化にも迅速に対応できる適応力と、チャレンジを恐れないメンタルの強さも、質の高いマーケターには欠かせません。
マーケティング職に向いている人の特徴
トレンドや変化を楽しめる人
マーケティングの仕事では、流行や社会の変化に敏感でいることがとても大切です。SNSで流行しているものや、新しいサービスが出た理由などに自然と興味を持てる人は、この仕事を楽しめるでしょう。
昨日まで当たり前だったやり方が、今日には古くなることもあります。その変化を面倒だと感じるよりも、ゲームのルールがアップデートされるような感覚で面白がれると強みになります。
日頃からニュースやX、動画サイトをチェックしながら、なぜ流行っているのかを考える習慣がある人は、マーケティング職に向いているでしょう。
データをもとに論理的に考えられる人
マーケティングでは、感覚だけでなく数字をもとに考える力が求められます。広告を出した結果やサイトのアクセス数など、さまざまなデータを見ながら「なぜこうなったのか」を考える場面が多いです。
もし、数字を見るのが少し苦手だとしても、答え合わせのように変化の理由を考えるのが好きなら、十分に活躍できるでしょう。また、失敗したときも落ち込むだけで終わらせず、どの数字が問題だったのかを確認して次にどう改善するかを考えられる人は成長が早いです。
レポート作成や分析ツールの操作など、コツコツした作業に抵抗がない人にも向いている仕事だと言えます。
他者の視点に立ち、相手の気持ちを想像できる人
マーケティング職では、常にお客さんの立場に立って考えることが求められます。自分ならこの広告を見てどう感じるか、この商品のどこに魅力を覚えるかを想像できる人は強みを発揮しやすいです。
自分の好みだけで判断せず、年齢や生活スタイルが違う人の気持ちもイメージできると、より良い企画につながります。また、ユーザーの声やアンケート結果を読み取りながら、「本当は何に困っているのか」「どんな言葉なら届きそうか」を考え続ける姿勢が大切です。
日頃から友人の相談に乗ることが多い人や、人の話を最後まで聞こうとする人は、この力を伸ばしやすいでしょう。
マーケティング職に向いていない人の特徴
変化が速い状態をストレスに感じる人
マーケティングの現場は、商品やサービスだけでなく、使うツールやルールもどんどん変わります。昨日まで成果が出ていたやり方が、急に通用しなくなることもあります。
こうした変化にその都度ついていくことを強いストレスに感じ、できれば毎日同じ仕事を同じ手順でこなしたい人は、負担が大きくなりやすいでしょう。
もちろん、変化が苦手だからといって絶対に向いていないわけではありません。少しずつ情報収集の習慣をつけたり、小さな変化から試したりすれば、慣れていける可能性もあります。
数字やデータ分析に強い苦手意識がある人
マーケティングでは、広告の反応率やサイトのアクセス数など、数字を扱う場面がとても多いです。数字を見るたびに頭が真っ白になってしまうほど強い苦手意識があり、グラフを見ただけでやる気がなくなる人は、仕事がつらく感じやすいでしょう。
成果を振り返るたびにデータを確認する必要があるため、数字から目をそらしたくなると、正しい判断がしにくくなります。
とはいえ、高度な数学の知識が必要な場面ばかりではありません。足し算や割合が分かれば対応できる仕事も多いので、ゆっくり慣れていくことは可能です。
失敗を過度に恐れ、試行錯誤が苦手な人
マーケティングの仕事では、新しい企画を試したり、広告の内容を変えたりしながら、少しずつ成果を伸ばしていきます。
その過程では、思ったような結果が出なかったり、失敗に終わったりすることも多いです。失敗したときに自分を強く責め過ぎてしまい、もう二度と挑戦したくないと感じる人は、毎回の改善が大きなストレスになりやすいでしょう。
うまくいかなかった理由を落ち着いて振り返る姿勢がないと、同じミスを繰り返しやすくなります。完璧な結果だけを求めるよりも、試行錯誤を通じて学んでいく考え方が重要です。
マーケターになるためにやるべきこと
インターン・学内プロジェクトに参加
学生時代にインターンや学内・学外プロジェクトを経験することで、マーケティング理論を実践に落とし込むチャンスを得ることができます。
実際の案件に関わり、企画立案から実行・検証まで一連の流れを体験することで、現場感覚やマーケティングそのものを深く理解でき、調査ツールの使い方やSNS運用の分析など、理論だけでは得られないリアルなスキルを習得可能です。
実際、インターン参加者が、企業からそのまま内定に直結することも珍しくありません。加えて、経験自体がESや面接での強みとなるため、積極的に挑戦するようにしましょう。
資格の取得
資格は、知識の習得や学習意欲を企業にアピールする指標になります。
マーケティングにおける強みとなる資格としては、「統計検定」と「マーケ実務検定」があり、統計検定はデータ分析に関する基礎理解の証明になり、マーケ実務検定はマーケティング理論の実践力を裏付ける材料になります。
また、Google AnalyticsやHubSpot、Google Data Analyticsなどに関する資格も、「最新のツールを使いこなせる」証明としてESや面接で評価されやすくなります。
こうした資格は、スキルの裏付けと自信向上の両方に効果的であるといえるでしょう。
学生団体や課外活動でプロジェクトマネジメント経験
学生団体やアルバイトなどを通してプロジェクトに関わる機会を作ることで、マーケターに必要なチーム調整力や進行管理能力を養うこともできるでしょう。
イベント企画やマーケ施策の立案・実行に関わることで、実行力や調整力、数値改善などの分析力に直結する経験を得ることができます。
マーケティング職への就活に関するよくある質問
新卒のマーケティング職は倍率が高いって本当ですか?
新卒のマーケティング職は、他の職種と比べると倍率が高めになることが多いです。企画に関わりたい学生が集まりやすい一方で、募集人数はそれほど多くない企業もあるからです。
ただし、どの程度競争が激しいかは、企業の知名度や業界によって大きく変わります。
また、倍率が高いからといって、最初からあきらめる必要はありません。仕事理解を深めたうえで志望理由を言語化し、自分なりの経験を整理しておくと評価されやすくなります。
マーケティング職は未経験でも目指せますか?
新卒採用であれば、多くの学生が実務未経験なので、未経験からでも十分に目指せます。企業は、今までの経験そのものよりも、マーケティングに興味を持ったきっかけや、学んできた内容を重視することが多いです。
ゼミの調査活動やサークルのイベント運営、アルバイトでの売り場づくりなども、視点を変えればマーケティングに通じる経験と言えます。また、未経験だからこそ、学ぶ姿勢や情報収集の習慣をアピールすると、前向きに評価される可能性が高いです。
マーケティング職は文系・理系どちらが有利ですか?
マーケティング職は、文系と理系のどちらかだけが有利という仕事ではありません。
文系出身者は、文章表現やリサーチ、消費者心理への関心を強みにしやすいです。理系出身者は、データ分析や仮説検証に慣れていることが多く、数字を使った議論を進めやすいでしょう。
企業によって、より分析寄りか、企画寄りかといったカラーの違いはありますが、専攻だけで合否が決まることはほとんどありません。自分の学びの中で身についた力を整理し、マーケティングのどんな場面で役立ちそうかを結び付けて説明できるかが大切です。
マーケティング職はインターン経験がないと不利になりますか?
インターン経験は、仕事理解が深まり、選考で具体的なエピソードとして話しやすいという意味で強みになります。ただし、インターンに参加していないからといって、必ずしも不利とは限りません。
企業側も、住んでいる地域や学業の状況によってはインターンに参加しづらい学生がいることを理解しています。そのため、ゼミ研究やサークル運営、アルバイトなどで、課題を見つけて工夫した経験があれば十分に評価の対象になります。
マーケティング職の就活ではポートフォリオや実績が必要ですか?
新卒のマーケティング職で、ポートフォリオが完全に必須となるケースはまだ多くありません。
ただし、これまでの取り組みを分かりやすくまとめた資料があると、自分の強みを伝えやすくなります。ゼミでの調査レポートや、サークルの集客施策、個人で運用しているSNSの成長記録などは、簡単にスライドにまとめておくと良いでしょう。
大切なのは、結果の数字だけでなく、課題をどう捉え、どんな仮説を立てて行動したのかをセットで示すことです。準備しておけば選考で一歩踏み込んだアピールにつながるので、余力があれば作ってみると良いでしょう。
まとめ
本記事では、マーケティングの仕事内容から、求められる6つの適性、そしてマーケターに向いている人・いない人の特徴について解説しました。
データ分析力や創造力も大切ですが、その根底にあるのは、ユーザーの気持ちを想像する「共感力」と、失敗を恐れず改善を続ける「粘り強さ」です。
もし、新しいことを学び、論理的に考え、誰かのために価値を提供することに喜びを感じるなら、マーケターとしての素質は十分にあるといえるでしょう。
そして、現時点ですべての適性が当てはまらなくても、心配はいりません。
スキルは着実に身につけることができるので、まずはインターンへの参加や資格の勉強など、具体的な一歩を踏み出し、未来のマーケターとしてのキャリアを切り拓いていってください。