【就活】効果的な業界研究のやり方とポイントを徹底解説!業界研究と企業研究の違いとは?
就活を始めるときは「まずは業界研究をしましょう」といわれることも多いもの。ただ、いきなり「業界研究」といわれても、何のためにするのか、具体的に何から始めればいいのかよくわからないという人も多いのではないしょうか。
そこで、業界研究をスタートする人のために、業界研究の目的から流れ・方法、おさえるべきポイントにいたるまで、はじめての人にもわかりやすく解説します。
- 就活における「業界研究」とは
- 業界研究の目的
- 業界研究の流れ
- 業界研究でおすすめの方法・ツールを紹介!
- 業界研究でおさえるポイント
- 業界研究のコツ
- おわりに
就活における「業界研究」とは
そもそも就活における「業界研究」とは、世の中にあるさまざまな業界やそこに属する企業への理解を深めるために行う活動です。
私たちが日々生活を送る中では、世の中にあるたくさんの業界のごく一部しか見えていません。小売業など、個人を相手に事業活動を行っている(BtoC)業界・企業のことはある程度わかっていても、システム開発や事業コンサルティングなど、企業を相手に事業活動を行っている(BtoB)業界・企業のことを知る機会はほとんどないからです。
一般消費者の目にはふれにくい業界や企業も多いからこそ、就活の際は業界研究をして「世の中にどのような業界が存在するのか」を知った上で、業界選び・企業選びをすることが大切なのです。
業界研究と自己分析と並行して進めることによって、自分の興味・関心や価値観が浮き彫りになってくる人も少なくありません。
業界研究の目的とメリット
業界研究の目的は「世の中にどのような業界が存在するのかを知る」ことだけではありません。
業界研究をすることで視野が広がり、当初は思いもよらなかった業界での就職が叶うかもしれません。また、自己PRや志望動機の作成など、選考のフェーズでも業界研究の成果を生かせるメリットもあります。
志望業界を絞る
業界研究の目的のひとつが「志望業界を絞る」ことです。世の中にはさまざまな業界があり、「この業界も良さそうだし、あの業界も面白そう」と、複数の業界に興味を持つ人も少なくないはずです。
色々な業界に興味を持つこと自体は素晴らしいですが、興味の対象があまりにも多い場合、すべての業界・企業の選考に応募するのは現実的ではないため、ある程度志望業界を絞ったほうがいいこともあります。
こんなときも、業界研究を通じて各業界の特性を知ることで、志望業界の絞り込みがしやすくなります。
視野を広げる
志望業界の絞り込みとは対照的に、業界研究は就活の「視野を広げる」ことにも役立ちます。
業界研究をしないと、興味の対象が日常生活になじみの深い業界や一般消費者のあいだで知名度のある企業に偏ってしまいがちです。ところが、実は現時点では存在すら知らない業界や企業に、あなたにぴったりの「舞台」があるかもしれません。
その業界や企業の存在を知らないせいで、得られるはずのチャンスを逃してしまったら非常にもったいないですよね。業界研究を通して知らなかった業界や企業の存在を知ることで、視野が広がり、結果的にチャンスも増えます。
業界への理解を深める
志望業界が決まるタイミングは人それぞれ。最初から志望業界が絞られている人もいれば、業界研究をすることで、徐々に志望業界が絞られてくる人もいます。
いずれにしても、志望業界がある程度絞り込めてきたら、志望業界をさらに深堀りして、業界やその業界に属する企業への理解を深めることが大切です。そうすることで、自己PRや志望動機の作成など、のちの選考プロセスにも生きていけるのもメリットです。
説得力のある志望動機・自己PRを作成する
業界研究は、業界選びだけでなく選考対策にも役立ちます。なぜなら「なぜその業界を志望するのか」「その業界・企業で自分がどのように活躍できるのか」など、説得力のある志望動機や自己PRを作成するには、業界の特性を深く理解している必要があるからです。
そもそも就活において企業は自分たちと働いてほしい人材、自分たちの会社に貢献してくれる人材を探し、採用したいと考えています。そのため自社の社風やこの業界に合っているか、そして企業が欲している人材であることをアピールすることが大切です。
業界研究が進み、志望業界への理解を深める段階になってきたら、「その業界で自分の強みをどう生かせるのか」「その業界ではどのような人材が求められているのか」なども意識しながら活動するといいでしょう。
パターン別 業界研究の流れ
業界研究の具体的な方法を紹介する前に、業界研究のおおまかな流れを確認しておきましょう。
業界研究は次のような流れで行うとスムーズ。ただし、絶対的な正解があるわけではないので、以下をベースにしつつ、やりやすいようにアレンジしてみてください。
- 世の中にどのような業界があるのか、全体像を知る
- 業界ごとの特徴をおおまかに知る(市場規模、サービスの内容・形態、顧客など)
- 興味のある業界をさらに深掘りする(成長性、課題、仕事のやりがい・厳しさ、求められる人材など)
- 興味のある業界に属する企業について調べる
上記のほかに、「興味のある企業が属している業界について調べる」「つきたい職種から業界を絞り込む」といったアプローチもあります。
さらに、今業界研究のやり方を考えている就活生の方は2パターンあると考えられます。「すでに気になる企業がある場合」or「まだどこの企業にも絞れておらず、迷っている場合」ではないでしょうか。
これからその2パターン別の業界研究の方法を詳しく解説していきます。
パターン① すでに気になる企業がある場合
1.今 興味のある企業が属している業界について調べる
まずは自分が気になっている企業がどこの業界に属しているか調べましょう。
以外にも自分が想像していた業界ではないこともあります。
2. 業界内のトップおよびその企業のライバル企業をターゲットに進める
調べていくと業界内には業界トップの企業と、それに対抗するライバル企業をが存在します。中心のトップ企業のほかにも周りのライバル企業も知っておくことが大切です。なぜトップ企業が最前線にいるのか、上位企業間にはどのような共通点があるののかなどを探っていくと、業界全体の動きが理解できます。
3. 自分の興味のある業界に関連のある別業界にも目を向け研究する
自分の興味がある業界の動向がわかってきたら他に興味のある業界にも着目しましょう。最初に調べた業界に付随している業界や故意にしている業界もありした業界同士の関係を理解することができます。業界研究を進めていくことによって志望業界以外にも興味がそそられる業界を見つけられるかもしれません。
4.最後にまとめて情報を業界研究ノートとして作成する
最後に調べた業界の内容をノートにまとめると一目でわかりますし、復習にもなります。
まとめたものは今後ESで志望動機を書く際や面接の際にも活用することができます。
パターン② まだどこの企業にも絞れておらず、迷っている場合
1.世の中にどのような業界があるのか、全体像を知る
まずはどのような業界があるのかを調べてみましょう。
その中から自分の興味がわきそうなものを選ぶのでも構いません。
この後の項目に主な業界の一覧も記載してあるのでぜひチェックしてみてください。
2.業界ごとの特徴をおおまかに知る(市場規模、サービスの内容・形態、顧客など)
業界ごとに特色は様々。市場規模から顧客までターゲット層も様々です。
特色を知れ自分がその業界に入った際にどのような相手に仕事をしていくのかが理解できます。
3.全体像を見たところで、その中から興味のある業界をさらに深掘りする(成長性、課題、仕事のやりがい・厳しさ、求められる人材など)
全体的な流れや内容を見たところで、自分の興味がそそられた業界に着目してみましょう。
それにより今後自分がESを書く際や面接のときの予備知識としても使えます。
4.最後に興味のある業界に属する企業はどこなのか調べる
興味のある業界が見つかったらそこに属している企業を調べてみましょう。
ある程度の規模間や内容は事前に調べて理解しているので、業界に属した気になる企業をさらに調べていきましょう。
主な業界一覧
業界といってもさまざまです。自分の興味のある企業がどこの業界に所属しているかチェックしておきましょう。
業界 | 主な内容 |
---|---|
メーカー | 農林、水産、建設、機械等 |
商社 | 総合商社、食品、アパレル、通販等 |
流通、小売業 | 百貨店、スーパー、コンビニ等 |
金融 | 銀行、証券等 |
サービス、インフラ | 不動産、鉄道、航空、福祉、教育等 |
ソフトウェア、通信 | インターネット、情報処理、ゲームソフト等 |
広告、出版、マスコミ | 放送、新聞、出版、広告、芸能等 |
他 | 官公庁、公社、団体 |
業界研究の方法・ツール
一口に「業界研究」といっても、その方法やツールはさまざまです。特定の方法やツールに偏ることなく、使えるものはどんどん活用しながら業界研究を進めていきましょう。
就活サイト・就活イベント
多くの就活サイトで「業界図鑑」「業界マップ」といった、業界研究に役立つ情報を発信しています。まずはこうしたコンテンツを活用して、世の中にどのような業界があるのか、全体感を把握しておくとスムーズに業界研究に取りかかれます。
また、就活サイトは業界研究に役立つセミナーなどのイベントを開催しているケースもあるので、イベント情報もチェックしておくといいでしょう。
業界研究セミナー
その業界や企業に興味を持ってもらうため、個別企業が「業界研究セミナー」を開催しているケースもあります。
個別企業が開催する業界研究セミナーは、その業界の最新の動向を学べるだけでなく、その業界で働くやりがいや厳しさなどについて、社員から生の声を聞くチャンスでもあります。
書籍・雑誌
ネット全盛の今も、業界研究をする際は、書籍や雑誌もまだまだ頼れる存在です。特に有名なのが『会社四季報 業界地図』。180以上の業界と各業界の主要企業が掲載されており、業界の最新事情が俯瞰でわかる便利な一冊です。
業界地図で全体像を把握した後、志望業界がある程度絞られてきたら、その業界に特化した情報誌などをチェックしてみるといいでしょう。
新聞・ニュース
日々目にする新聞やニュースも、業界研究の素材の宝庫。まずは日本経済新聞などの大手新聞でビジネス全般の動向を押さえた後、「日本流通産業新聞」「金融経済新聞」といった専門誌・業界紙で気になる業界の実情を深掘りしてみてはいかがでしょうか。
業界団体のホームページ等
多くの業界には、その業界に所属する企業が集まる業界団体が存在します。「○○業協会」「○○協同組合」「○○連合会」など名称はさまざまで、規模も大小あります。
必ずしも就活に役立つ情報が得られるとは限りませんが、ホームページや広報誌などで、その業界の現状などを発信している業界団体もあります。ほかではなかなか得られないコアな情報が手に入ることもあるので、チェックしてみる価値はあるでしょう。
OB・OG訪問
業界研究をするにあたっては、OB・OG訪問の機会も積極的に活用したいもの。ある程度志望業界が絞られてきたら、業界研究を一段掘り下げて、仕事のやりがいや厳しさ、その業界で求められる人材などを知るフェーズに入ってきます。
こうした情報は書籍やインターネットよりも、実際にその業界で働いている人から得るのが一番。OB・OG訪問でリアルな一時情報にふれることは、志望動機や自己PRの作成に役立つだけでなく、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
就活生向けのキャリアアドバイザーに相談
自己流で業界研究をするのももちろん大切ですが、これで本当に合ってるかな?どこまで業界研究をすればよいの?誰かにチェックしてもらいたいなど感じる就活生も多いはず。
そんなときは就活生に特化した就職キャリアアドバイザーを頼るのも一つの方法です。
就職キャリアアドバイザーは、いわば就活のプロ。業界研究について以外にも面接練習や自己分析の方法など就職活動役立つアドバイスや情報を提供してくれます。
業界研究で抑えるポイントと注意点
なんとなく業界研究を進めていると、漫然とさまざまな業界の情報をインプットしているだけになってしまい、効果的な業界研究ができないことも……。
そうならないためにも、以下のポイントをおさえながら業界研究を進めるようにしましょう。そうすることで、業界間の違いが浮き彫りになってくるだけでなく、自分に向いている業界・不向きな業界も見えてきやすくなります。
業界の特徴や扱うサービスの形態を知る
世の中には数多くの業界があり、「モノをつくる業界」と「モノを売る業界」、あるいは「目に見えないサービスや情報を提供する業界」とでは、ビジネスのあり方が変わってきます。さらに、同じ「モノを売る」ビジネスであっても、一般消費者に売る場合もあれば、企業に売る場合もあります。
業界研究をするにあたっては、その業界が「誰」に対して「どのような価値」を提供しているのかを踏まえて、業界の特徴を理解するようにしましょう。その際は、以下の5つのカテゴリーを意識しながら、自分がどのカテゴリーに魅力を感じるか、考えてみてください。
- モノをつくる
- モノを売る
- 目に見えないサービスや情報を提供する
- 社会インフラを整備する
- お金を動かす
業界の成長性・安定性を知る
業界研究においては、業界の成長性や安定性も非常に重要なポイントです。年々市場規模が右肩下がりの業界と、まだまだ伸びしろのある業界とでは、当然後者のほうが長く活躍できる可能性が高いですし、業界や企業の成長とともに自分自身も成長できる余地が大きいからです。
業界の市場規模や推移、今後予測される社会の変化などを踏まえて、「その業界が社会全体でどんな位置づけにあるのか」「市場規模は拡大傾向にあるのか / 縮小傾向にあるのか」をおさえましょう。
業界の現状と課題をおさえる
業界研究では業界の魅力を知ることも大切ですが、客観的に現状を把握して、その業界の課題を認識することも大事になってきます。
業界が抱えている課題は、あなたがその業界に入ったときに取り組まなければならない問題である可能性が高いもの。そのため、「その課題に対してポジティブに取り組めそうかどうか」が業界選びのポイントのひとつになってきます。
また、面接などで「○○業界の課題は何だと思いますか?」といった質問を受けることもあるため、業界の現状と課題をおさえておくことは選考対策にもなります。
業界研究のコツ
業界研究のやり方には絶対的な正解はありませんが、ひとつ確実にいえるのは「バランス」が大事だということです。
自己流で業界研究を進めると、見方が一面的になってしまったり、使うツールに偏りがでてしまったりしがちなので、次の2つのコツを意識してバランスを取るように心がけてください。
「広く浅く」⇒「狭く深く」の順番で進める
業界研究をスタートしたら、まずは広く浅く、世の中にあるさまざまな業界について知るようにします。
特にBtoBが中心の業界は私たちの日常生活になじみが薄いため、最初は興味が持てない人もいるかもしれません。しかし、知らないから興味がないだけで、少しでも知ってみると魅力的に映る可能性もあります。
だからこそ、最初の「広く浅く」知る段階では、できるだけ「食わず嫌い」をせず、さまざまな業界に視野を広げることを意識することが大切です。
世の中にある業界の全体像を捉えることができたら、次は興味のあるいくつかの業界を「狭く深く」知る段階に入っていきましょう。
さまざまなツール・手段を併用する
業界研究をするにあたっては、「使えるものは何でも活用する」という姿勢を持つようにしてください。
「インターネットだけに頼る」あるいは「家の中でできることだけをする」というのではなく、インターネット、書籍、新聞とさまざまな媒体を組み合わせるのはもちろん、セミナーやOB・OG訪問といったリアルな場にも出かけて、多角的な情報を得るようにするといいでしょう。
結局、家の中でできるリサーチで終わってしまうと「その他大勢」が持っている情報しか得られません。セミナーに参加する、OB・OG訪問をするなど、積極的に外に出た人だけが得られる「生きた情報」があることを肝に銘じておきましょう。
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おわりに
業界研究は、志望業界を見極めたり、説得力のある志望動機や自己PRを作成したりするためにも非常に重要な活動です。加えて、社会のことを広く知れるチャンスであり、徹底した業界研究は入社後の社会人生活でも役立ちます。
「就活」や「業界研究」と聞くと、不安な気持ちや面倒な気持ちが先に立つ人もいるかもしれません。ところが、社会人になってからさまざまな業界のことを広く知る機会は意外と少ないもの。ぜひ「今まで知らなかった世界が見られる機会」と捉え、前向きに取り組んでいってくださいね。