【新卒採用】通年採用を成功させる効果的なポイントとは?

採用市場・動向

【新卒採用】通年採用を成功させる効果的なポイントとは?

就職活動の早期化や売り手市場などを背景に、
採用活動に力を入れている企業では今「通年採用」が注目されています。

9月1日時点での内定率は90.8%と、
年々早期化が進んでいることも通年採用が注目されている原因の一つです。

2209就職内定率

ここでは通年採用の概要や導入にあたってのメリット・デメリット、企業の導入事例などを紹介します。

通年採用とは

そもそも通年採用とは、期間を限定せず年間を通じて採用活動を行う取り組みのことです。
英語では「year-round recruitment」と言います。
新卒だけでなく、留学生や海外大学生など多様な人材を対象にアプローチができ、
採用スケジュールを企業が自由に決められるのが特徴です。

欧米では一般的な採用手法ではありますが、
日本では採用活動が学業の妨げにならないよう制限が設けられていたため、
新卒に関しては「通年採用」ではなく「一括採用」を行う企業が多数を占めていました。

ところが近年、日本においても企業や学生を取り巻く環境が大きく変わってきており、
中途採用同様に新卒も一括採用から通年採用へ移行する流れが生まれてきています。

なぜ今通年採用なのか

ではなぜ今通年採用を注目している企業が増えてきているのでしょうか?
通年採用が拡大している理由として、
「就活ルールの廃止」「就職活動の早期化」「グローバル化」などの影響が挙げられます。

2018年にこれまで就職活動のルールを主導する存在だった経団連が、就活ルールの指針廃止を発表。
これを機に、各企業が独自の考えで採用活動をおこなうようになったことも、通年採用が増えてきている理由の一つです。

また、政府主導のルールでは現在も選考開始を大学4年生の6月としていますが、
若手人材を獲得するために各企業が採用活動を早期化させている点も影響しています。

令和元年度に内閣府が発表した年次経済財政報告「新卒の通年採用に対する意識」では、
通年採用をすでに導入済みが33.3%、導入を検討中が22.4%で、調査対象の半数以上が通年採用に前向きと、
多くの企業が通年採用に積極的であることが分かります。

2209通年採用

通年採用のメリット・デメリット

ではここからは通年採用の企業側、学生側それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。

企業側のメリット

企業側のメリットは下記が挙げられます。

  • 新卒一括採用では出会えない人材にも出会える
  • 自社にマッチした人材を見極める時間が増える
  • 内定辞退が起きても補填することができる

新卒一括採用では出会えない人材にも出会える
これまで企業は、一括採用ルールがあったことで海外大学の学生を採用することが難しい状況でした。
しかし「通年採用」に変わることで、海外大学の学生を早期にインターンシップで取り込むことできます。
また、社会活動や研究活動で休学していた優秀な学生にもアプローチしやすくなります。

自社にマッチした人材を見極める時間が増える
「通年採用」では、学生1人ひとりにゆっくり時間をかけて選考をおこなえるので、
学生の能力や考え方を慎重に見極めることができます。

また、学生側も時間をかけて企業への理解を深めたり、相性を見極めたりするため、
お互いにミスマッチを減らす効果も期待できます。

内定辞退が起きても補填することができる
「一括採用」では、一度に多くの学生に内定を出し、
内定者フォローをおこなう必要があるので、
どうしても採用担当者1人あたりのフォロー人数が通年採用に比べると多くなりがちなため、
内定辞退が発生しやすい傾向にあります。

また、採用数が目標に達しなかった場合、一度締めきった募集を再開するのは手間がかかり、
すぐに募集を開始できたとしても学生が集まりにくくなるため、内定者の補填が難しいです。

一方、「通年採用」では、必要な人数だけその都度採用できるため、内定辞退をされてもすぐに補充対応ができます。

企業側のデメリット

反対にデメリットは下記の通りです。

  • 採用にかかるコストや工数の増加
  • 知名度を上げるための施策がより求められる
  • 早期に決まった方の内定者フォローの負担がかかる

** 採用にかかるコストや工数の増加**
「通年採用」では年中、会社のPR活動を行う必要があります。
そのため、採用広告費の増加が考えられます。
また、効率化を進めるため、採用活動を自動化するツールの導入など、新たなコストが発生する可能性があります。

知名度を上げるための施策がより求められる
「一括採用」では就職活動期間に合わせて広報活動をおこなえますが、
「通年採用」では企業から学生にアプローチしていくことが重要です。

認知度の低い企業は採用広報に苦戦する傾向があります。
既存社員に協力を呼びかけ、SNS上での情報拡散や自社に合う人材を紹介してもらうなどの工夫が必要です。

早期に決まった方の内定者フォローの負担がかかる
「通年採用」により学生に早期に内定を出しても、
「一括採用」の選考が後に控えている場合、
自社の内定者が他社の内定を承諾し、結果として自社の内定を辞退する、などの事態が起きるケースもあります。

それを未然に防ぐためには、内定者の入社意向を高めていくような内定者フォローが必要です。
内定者をつなぎとめる長期間のフォローが課題となってきます。

学生側のメリット

学生側のメリットは以下のようなものが挙げられます。

  • 入念に準備できる
  • 就活失敗によるリスクが減少する
  • 納得感のある就職ができる

従来のように短期間で就職活動を行う必要がないためスケジュールに余裕ができ、
学生はゆとりを持って応募先を検討することができます。
説明会や面接などがバッティングする可能性も低いので、多くの企業に応募することも可能となるでしょう。
1社ごとに集中して応募できるため、実力を発揮しやすくなることも期待できます。

学生側のデメリット

  • 能力重視で採用のハードルが高くなる
  • 能動的に情報を集める必要がある

このようにある程度大きな採用枠を設けたうえで潜在能力を重視して積極的に学生を採用する「一括採用」に比べて、
「通年採用」では、採用枠を絞り、じっくり学生の素質や能力を見極める時間を確保しやすいという特徴があります。
このため、学生は採用されるハードルが高くなりやすいのです。

また、「通年採用」の場合、企業によって採用スケジュールがまちまちになるため、積極的な情報収集が強いられます。

通年採用を成功させるポイント

ここからは通年採用を成功させ、よりよい人材の確保と定着を目指すためのポイントを紹介します。

学生の動きをキャッチアップ

「一括採用」の場合は、学生が企業の採用スケジュールに合わせなければなりませんが、
「通年採用」を取り入れた場合、企業が学生のスケジュールに合わせることが可能になります。

そのため、テスト期間や夏休みなどの多くの学生が該当するスケジュールに合わせた採用活動を練っていく必要があります。

また、海外から日本の大学に留学する外国人学生は、4月だけでなく9月~10月に入学する場合もあり、
その場合は卒業が3月以外の時期となることもあります。

このように、学生は多様なスケジュールで動いているので、
採用したい学生のスケジュールを分析し、それぞれの状況に合わせた対応をする必要があります。

様々な手法を取り入れる

知名度アップのためには通常の求人広告だけではなく、
SNSなどWebを駆使した戦術も必要です。
特に若い層が日常的に使うTwitterやInstagramで情報を定期的に流すのは有効な手段です。
また検索エンジンも考慮してキーワード対策(SEO)をしっかりと行い、学生へのリーチを増やすことも重要といえます。

SNSと自社のWebサイトを連動させ学生の流入を促すようにし、エンゲージメントを高めていくのも有効な手段です。

実際に通年採用を導入している企業

株式会社ユニクロ

ユニクロでは、新卒採用を「グローバルリーダー社員」「地域正社員」の2種類の募集形態でおこなっており、
その中の「グローバルリーダー社員」の採用に「通年採用」を取り入れています。

いわゆる「一括採用」と「通年採用」の併用型で、新卒か中途かについても一切問わないポテンシャル採用です。

2013年新卒採用に合わせ、2011年12月より通年採用をスタートさせており、
他社と比べてもかなり早くから通年採用を導入しています。

【ポイント】

  • どの学年からも参加可能。大学1、2年生も歓迎。
  • 不合格になっても選考年度が変われば再チャレンジできる
  • 人事面接・キャリアセッションに参加の上、選考を通過した方には「ユニクロパスポート」を発行。
  • 発行から3年以内はこのパスポートを提示すれば、いつでも最終面接を受けられる

通年採用といえばチアキャリア!

このように、新卒採用市場は刻一刻と変化しており、常に市況をキャッチアップする必要があります。
企業側、学生側の両者が納得して採用活動を行っていくために、フォロー環境や体制は今後さらに重要となっていきます。

また、チアキャリアは各卒業年度の採用を一緒に行える仕様となっておりますので、
今後更に広がっていくであろう、通年採用にも適した採用メディアです。

ぜひ採用活動の成功に向けてチアキャリアで素敵な学生を採用してみませんか?

詳細はぜひチアキャリアカスタマーサクセスにお問い合わせください。
お問い合わせフォーム

【参考文献】
就職プロセス調査(2023年卒)「2022年9月1日時点 内定状況」(株式会社リクルート)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20220909_hr_02.pdf
第2-2-6図 新卒の通年採用に対する意識(内閣府)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je19/h06_hz020206.html

このページをシェアする