人生100年時代と自分  ~未来志向の働くとは~

自己分析

人生100年時代と自分 ~未来志向の働くとは~

「人生100年時代」

少し前に流行った言葉、という認識で皆さんも一度は聞いた事があると思う。
「寿命が延びる」のは確かに素晴らしいこと。
またそのための教育体制や高齢者への施策を国が今後充実させてくれるそうだ。
とても素晴らしい未来が続いている。だが、本当に「それだけ」なのだろうか?
なんの犠牲も払わずに待っているだけで訪れる素晴らしい未来など都合が良すぎる訳であって、どんな良薬にも多少の副作用はつきものだ。
この理想の未来社会と現実の中で生まれた一抹の不安について今一度考えてみたい。

▼目次
*・イノベーションと「僕ら」
・「働く」と「生きる」
・良質な時間を創る
*

■イノベーションと僕ら

人生100年時代とは、
「寿命が(100歳前後まで)今後伸びていくにあたって、国・組織・個人がライフコースの見直しを迫られている」
という内容を表す言葉だ。改めて考えてみると正直凄い事を考えるものだ。
そんな変革のイメージが具体化するまでに、若い僕たちにはあとどのくらい時間が残されているのだろうか?

そもそも僕が知っている「常識」の範囲内では
100歳を超えた人は長寿だとメディアに取り上げられ、一躍時の人になりえたものだ。
そういった認識で生きてきた僕らは、大体80歳で晩年を迎えられていたら大往生だ。
これが「常識」だった僕らからすると
健康寿命が今より10年長引き、70歳以上まで働くことなんて思いもよらなかった。

だが、ふと思うと、
「常識」というラベルは変革と共に上書きされ、
僕たちは、それが上書きされるたびに心を躍らせてきた。
スマホやキャッシュレスなどが全く無かった10年以上前の人たちは、現在の生活を見ると
「そんな素晴らしい未来が来るわけがない!」とでも言うだろう。僕自身もきっと言う。
そしてそれは同様に今の僕らが10年後の未来を見せられた時も同じように
言ってしまうだろう。未来はいつだって僕らの想像を超えてしまう。

■良質な時間は学びから

100年時代の到来を「あっと驚くSF世界の実現」なんてものにはしたくない。
示された未来と、今の現実には大きな空白がある。
仮に僕たち世代から100年時代が実現するとしたら
時間にしておよそ50年程度か…
僕たちはこの空白に対して、そして未来に向かって何ができるのだろうか?

ライフスタイルにおいて若い僕らが豊かさを求めていきたいのは、まず仕事。
これから10年,20年も長く働くにあたり、これまでの「常識」が通用しないのは
もう分かっていただけただろう。

シンプルに考えるのであれば、
プロ野球選手が引退してもコーチ業にキャリアシフトする、
というイメージは非常に分かりやすい。
自分のプロフェッショナルな分野を活かしてより長く務める為に、
コーチングのスキルを磨いていく。
元々好きな事に付随する領域で連投して勤めていけばなんて幸せだろうか。

また、自分の趣味などを活かして職にしていくのも良いかもしれない。
たとえば60歳でキャリアを満了するのであれば
残った時間を培った経験を活かしてビジネスを展開していく。
現状すでにそういったアクションを起こしている方も当然いるだろうが、
「常識」と言えるほど親近感のある時間の使い方ではないだろう。

だが上記はプロフェッショナルとしての質が求められるところであり、
膨大な時間を要するのは言うまでもないが、
「ライフスタイル」としての観点でいえば今挙げた例は極めて普遍的ではないだろうか。
野球を嫌う人がそれを仕事にしない、また絵を嫌う人が絵画教室を60歳で開こうとしない。
「好き」という根本があるからその世界に飛び込んでいけるのだ。

だが時に変革はその世界を助長したり、逆に阻んだりすることがある
それは仕事を含めたライフスタイルにも言えて、
時に優しさや喜びを与え、残酷さを世界に与える。

これは今に始まった事ではない事実だ。
その現実に抗い仮に寿命が10年,20年伸びたとして我々が養うべきは、
自分で世界を作り充実した時間を構築する仕組み考える「思考力」
その仕組みに理解者を求めることができる「発信力」である。
これらを得るための「学び」は未来への投資であり一種の副作用かもしれない。

■これからの「働く」そして「生きる」

現状リカレント教育を取り入れる企業が年々増えてきており、
大学を卒業してもなお「学ぶこと」は終わりではなくなった。
これからは労働と学習の境界線も薄くなってしまうのかもしれない。
ただ企業にぶら下がり、定年まで勤めてしまったとしたらその先には何があるのだろう。
それは「浪費活動」に繋がっていき、時代に則った充実とは違う結果と推測できる。
職場は学び舎ではないが、色々な学び方について知れる場所。
就活の軸として理念共感や企業体質はもちろん大切だが、
「学び」という観点で市場価値を高められそうな職場をみてみるのも良いのではないだろうか。

今は焦る必要はない、が常に思考は続けていよう。
就活生の皆さんが、次に踏み出す一歩は今後の人生に大きく影響を与えるファーストキャリア
を決定する重要なものに他ならないのだから。

100年時代に予言された未来と現実とのギャップと戦い、よりよい未来を創るために。

この記事を監修した人
平塚

代表取締役 平塚ひかる
年間で10万人が利用する就職サイトチアキャリアを運営する株式会社Cheer代表取締役。
新卒で入社した会社を3ヶ月目の22歳で役員に。1年目で営業成績1位、全社MVP。営業・マーケや開発・広報・人事管轄の取締役として従事したのち独立。
第一回日本中小企業大賞三冠・三年連続受賞したのち殿堂入りし、審査員就任。
東京都の【多様な主体によるスタートアップ支援展開事業】分科会審査員を2期連続担当。
意思決定層のジェンダーギャップに取り組む「スポンサーシップ・コミュニティ」発起人を務める。

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