「指摘に感謝する」という成長譚

ビジネススキル

「指摘に感謝する」という成長譚

「社会人になったからにはスマートにバリバリ働きたい!」

入社初日、シャワーを浴びてセットも服装もバッチリ。
鏡の前で社会人になった自分を見つめてふと考える、「今日から社会人」

あの日夢にまでみた企業に今日から勤める...駅までの道のりがなぜか遠く感じた。
面接で何度も顔を合わせたあのカッコいい大人達と同じフィールドにやっと立てる!
そんな高揚感と期待感で微笑がこぼれた。
家族、友人、ゼミの後輩..周囲からこの会社に入って良かったね!
きっとそういう未来が自分を待っている。
そんな考えが電車の揺れでさえ己を鼓舞するように脳をめぐっていた記念すべき朝―

―入社して1か月が過ぎた。

あの朝描いたはずの自分はそこにはいなかった。
スマートなんて言葉から足蹴されデスクで這いつくばるように仕事をする毎日。
失敗、失敗、失敗。昼食を取ってまた失敗。謝罪文がルーティンワークかのように降り注ぐ、そんな日がしばらく続いた。

―入社して3か月。

そんな簡単に状況が変わるはずもない。ルーティンワークは残念ながら
簡単に僕を離してくれなかった。けど以前よりも頻度は減ってきた気がする...
社内の雰囲気に少しは慣れてきたのか、周囲への視野が広くなりつつある気がした。

そんな時にふと感じていたことが急に具現化される。
自分が勤めている企業は規模は大きくないからこそ気づけたのかもしれないが、
「怒られる方より怒る方が大変」っていうこと。

ここで注意しておきたいのが、「自分は人より同じミスを繰り返しがち」であるのであしからず。
ただそんな自分だからこそ就活生のみんなに伝えたい。
失敗というのは嫌なもので、恥ずかしい思いもするし、情けない思いもする。
出来ることなら避けたい。ルーティンワークになんて当然したくない。

でも考えてみてください。
会社はあなたに強くなってほしくて、活躍して欲しいから採用をした、ということ。
そんな会社の意図をくみ取って上司は忙しい中後輩の動向を確認し、
「注意する」というアクションをわざわざ起こしているという隠しようのない事実。
自分の欲求を満たす為だけにあなたに怒る人なんているはずがない、と考える。

実体験を言わせていただくと上司は怒った、また注意した事なんて大体忘れている。
拍子抜けかもしれないが、それほど視野を広く業務をこなしており、
部下はあなただけでは当然ない、そういうことなのだろう。

怒られる原因はきっと自分の中にある、それはまた自分を成長させる種のようなもの。
上司や会社はそれを育むためにあなたに強く言う。
すべからくそうでないケースも当然あるとは思うしビジネス間のやりとりは煩雑極まりない。
だからこそ敢えてみんなに問いただしたい。

そこで自分を守る事でなんのメリットがあるのだろうか?
一時のプライドを守って反発しふてくされた態度で自己防衛を図ってどうなるのか?
それはきっとあなたの種に悪影響を及ぼし成長を妨げる。
怒られた時ほど真摯に毅然として状況や行動を説明し、非があれば反省をする。
最後には「ありがとうございます。」と誠意をもって伝えることが大事ではないだろうか。
それができれば周囲からの見方は変わっていくだろう。

―入社して5ヶ月

自分の仕事ぶりを褒めてくれる人が出てきた。
まだまだ注意されることもあるし、デスクにしがみついて成長という羽を求めて今日も
もがいている。
まだまだ周囲から良かったね!とは残念ながら言われてないが、あの日描いた自分に
ほんの少しだけ近づいている気がして、怒られていた自分とその環境がやけに愛しく感じた。

この記事を監修した人
平塚

代表取締役 平塚ひかる
年間で10万人が利用する就職サイトチアキャリアを運営する株式会社Cheer代表取締役。
新卒で入社した会社を3ヶ月目の22歳で役員に。1年目で営業成績1位、全社MVP。営業・マーケや開発・広報・人事管轄の取締役として従事したのち独立。
第一回日本中小企業大賞三冠・三年連続受賞したのち殿堂入りし、審査員就任。
東京都の【多様な主体によるスタートアップ支援展開事業】分科会審査員を2期連続担当。
意思決定層のジェンダーギャップに取り組む「スポンサーシップ・コミュニティ」発起人を務める。

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