Introduction

2022年11月22日、「第3回 CheerCareerAwards2022」が開催され、魅力的な採用活動を行っているベンチャー企業16社がさまざまな賞を受賞しました。
直近1年間での長期インターン生の採用実績や工夫が優れていた企業に贈られる「Best Intern賞」の中でも「最優秀賞」に選ばれたのが、創業2年目の株式会社このめ。採用実績に加え、インターン生の教育の面も高く評価され、受賞に至りました。
「このめ」の理念や事業内容、学生でも社員と同等の責任ある仕事に携われるインターンの特徴などについて、株式会社このめ 取締役社長 百田遼太郎(ひゃくだりょうたろう)さんにお聞きしました。

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「人を大切にする」ことを大事にする会社

「第3回 CheerCareerAwards2022」において「Best Intern賞 最優秀賞」を受賞した株式会社このめは、キーエンス出身経営者2名が2021年に創業した100%自己資本のベンチャー企業。
今回お話をうかがった百田遼太郎(ひゃくだりょうたろう)さんは、「このめ」の創業者のひとりで、現在は同社の取締役社長を務めています。
「『このめ』とは、どんな会社ですか?」という質問に対して、百田さんが真っ先に答えてくれたのが、事業活動の根底にある「理念」でした。
百田さん自身がまだ20代で、若いメンバーが多い「このめ」はアットホームな活気あふれる会社。「誰かが自分以外の誰かを大切にしたいと願った時、そこに介在するサービスを創る。」ことが「このめ」が大事にしている理念です。
「このめ」の創業者で代表取締役の根岸が、『家族を大切にする』ことを人生の軸に置いていて、『家族を大切にすることを仕事にしたらとても幸せなんじゃないか』という想いが出発点になっています。
百田百田さん
ただ、大切な人はそれぞれ。家族以外の誰かが大切だという人もいるので、『自分以外の誰かを大切にしたいと願った時。』という表現になったんです。
「このめ」のメンバーが「自分以外の誰かを大切にしたい」と思った時に、「こんなサービスがあったらな」というサービスを有形・無形問わずつくっていくのが「このめ」の世界観なのだそうです。
こうして生まれたサービスが、メンバーだけでなくメンバーの周囲の人々に届いていき、ひいては世界中に広がっていくことで、人々にあたたかい気持ちを届けることを目指して事業活動を行っています。

法人営業・ライバー事業・人材紹介・アイドル事業を展開

現在展開している事業は「法人営業」「ライバー事業」「人材紹介」「アイドル事業」の4つ。2021年の創業時は「法人営業」「ライバー事業」の2軸からスタートしました。
法人営業に着目したのは、安定した経営の基盤とするため。創業者の根岸さんと共同創業者の百田さんはともにキーエンス出身で、キーエンス時代に培ったビジネスノウハウを生かして十分な業績を上げて、会社を安定成長させようと考えたそうです。
東京だけでなく、最近新たに大阪にも営業の拠点を開設。「このめ」は大阪出身のメンバーが多く、大阪出身メンバーがゆくゆくは大阪で家族をつくって暮らせるように、と考えたことが背景にあるそうです。
百田百田さん
社員の大切な人のためにも、社員が働く場所をできるだけ自由に選べるようにしたいという想いもあって、営業拠点を各地に増やしています。
まだ全国展開とまではいかないものの、将来的には着実に拠点を広げていきたいと考えています。

ライバー事業から派生して「人材紹介」「アイドル事業」へ

一見、法人営業とはずいぶん毛色の異なる「ライバー事業」に乗り出したのは、百田さん自身がライバーとして活動していたことが背景にあるといいます。
百田百田さん
ライブ配信の世界では、配信者と視聴者が家族のようにあたたかくつながっていて、立場を超えて元気を与え合う関係ができています。私自身がそんな関係性に支えられてきたので、ライバー業界をさらに盛り上げて、より多くの人たちが活躍できる場所、支え合える場所にしたいという気持ちが根底にあります。
さらに、『このめ』の創業当時から市場規模が100億円を超えていて、ユーザーも増加傾向にあったので、将来性が高いという点もライバー事業の魅力です。
あと2つの事業である「人材紹介」「アイドル事業」は、実はこのライバー事業から派生したものだといいます。
副業としてライバーをしている人が多いそうですが、ライバー事務所を運営していく中で、本業の転職相談を受けることが多々あったため、「『このめ』で人材紹介をして、所属ライバーが本業でも不安なく仕事ができるようにしよう」人材紹介も手がけるようになりました。
アイドル事業誕生のきっかけは、「このめ」に所属しているライバーのひとりが10年にわたってアイドル活動をしていたことでした。
10年間続けていたアイドル活動から引退した時にファンが悲しむのを見て、元アイドルの女性は「自分が引退した後も、ファンの人たちが応援し続けられる別の場を提供することで、ファンを悲しませずにすむのでは」と考えたそう。
「ファンが応援し続けられるように、後進のアイドルをプロデュースしたい」という元アイドルの想いが「このめ」の理念とマッチしていると感じたことで、アイドル事業も手がけることになったのです。

理念の実現はまだ道半ば、だからこそチャンスがある

2021年4月の会社設立から8カ月で年商1億円規模に到達。2022年度は5億円までの成長が射程に入っている「このめ」ですが、実は「誰かが自分以外の誰かを大切にしたいと願った時、そこに介在するサービスを創る。」という理念の実現は、まだ道半ばだといいます。
この点について、百田さんは次のように明かしてくれました。
百田百田さん
『このめ』は100%自己資本の株式会社なので、最初はまったく資金がありませんでした。創業当初は資金づくりが優先だったので、まずは理念に沿っているかつ資金もしっかり獲得できる法人営業とライバー事業でしっかりと資金を獲得して、その後により『このめ』の理念に合ったサービスを次々に生み出していこうと考えました。

アイドル事業は『このめ』の理念にかなったサービスの1つで、このようなビジネスを毎月つくり続ける組織になることを目指しています。

理念に沿っていて、かつビジネスとして成り立つのであればすぐにでも実現は可能です。ただ今はまだ資金に限りがあるのでビジネスの数にも限りがあります。、、本格的に新規事業を増やしていく段階になれば、インターン生でも社員でも、立場に関係なく、「このめ」の理念にかなったサービスをより実現しやすい会社になっていくと考えています。

月600万円の売上を立てたインターン生も

「Best Intern賞 最優秀賞」を受賞したことからもうかがえるように、「このめ」は学生インターンが多数活躍している会社でもあります。なんとメンバーの8割がインターンだとか。
チアキャリアでインターンの採用活動を始めて約1年が経ちますが、これまでチアキャリア経由で16名のインターン生の採用に成功しています。
当初は、百田自身がインターンをしていた体験から学生の気持ちの仮説を立て、手探りの状態で採用活動を行っていたそう。ところが、インターンの採用を続けるうちに、「こんな経験がしたい」「こんな風になりたい」といった学生の気持ちやニーズがより明確にわかってきて、採用ペルソナを固めることができたといいます。
「インターン生に大きな成功体験を味わってもらうことができた」のも、この1年の大きな成果でした。とあるインターン生は、ライバーマネージャーとして月600万円の売上を立てたそう。これは社員の実績を超えているといいます。
法人営業でも、社員と同等あるいはそれ以上にあたる60件のテレアポ獲得に成功しているインターン生もいます。

即内定や代表とのランチなど、実績に応じたインセンティブ

こうした「成功体験」の裏側にはどんな仕組みがあるのでしょうか。。
そのひとつが「このめ」独自のランク制度。営業なら月の獲得実績をもとにランクが決まり、上のランクにいけばいくほど報酬も上がっていくという仕組みです。
それに加えて、一定以上のランクに到達すれば「面談内定」「即内定」といったインセンティブもあり。基本的に新卒正社員の採用はまだ行っていないそうですが、一定以上のランクに到達したらいつでも入社できる「即内定」の待遇が与えられ、内定証が渡されるといいます。
実際に内定証を持っている学生もいて、CheerCareer(チアキャリア)経由で「このめ」のインターンに参加し、卒業後に入社した人もいるそう。
また、内定の前段階として、代表取締役の根岸さんと2人でランチができる「根岸One on One」という待遇もあります。
この「根岸One on One」では何を言ってもオッケー。「『このめ』でこんなことをしたい」とビジョンを伝えてもいいし、「このめ」の理念にかなった新事業を提案してもいい、就職活動の相談をしてもOK!という自由な場なので、まずは「根岸One on One」の機会が与えられるランクを目指すインターン生が多いそうです。

学生インターンも社員と同じ実務を経験

実際に、「このめ」で働くインターン生はどのような業務に携わっているのでしょうか。百田さんは、インターン生も社員と同等の業務を担っていると話してくれました
百田百田さん
現在インターンが在籍しているのは営業とライバー事業です。営業は社員と同じ架電数目標を設定して、アポイントの獲得に取り組んでいます。ライバー事業においても、社員とほぼ同じマネージャー業務を行っていて、新規ライバーの獲得と担当ライバーのマネジメントが仕事です。インターン生にも、裁量が大きく責任のある業務を担ってもらっています。

とはいえ、サポートはきちんと行っています。営業は、毎日業務終了後に社員から15分程度のフィードバックを行いPDCAサイクルを回すようにしていますし、ロールプレイングなども実施しています。

ライバーマネージャーに対しては、KPIの管理や目標設定の管理を行っていて、社員がインターン生をマネジメントしているような形です。週に1度の定例会議で定期面談を実施して、インターン生の意見や悩みを吸い上げるという取り組みもしています。

「本当の成功体験を積むことができるインターン」

インターンを希望する学生にとっては、「サポートを受けながら、社会人と同じ実務に携われる」という点は非常に魅力的に映るのではないでしょうか。やはり、実務に携われる点は学生からも好評だそう。
百田百田さん
大手企業のインターンシップは作業やグループワークで終わってしまうケースが多いので、本当の成功体験を積むことができるインターンはほかではなかなかないと思います。

新卒でベンチャー企業に正社員として入るのは不安だという人も多いかもしれませんが、大学生のうちにインターンとして入るならノーリスクですし、社会に出る前に特別な経験ができます。

大学生のあいだにベンチャー企業でインターンをして、その後新卒で大手企業に行ったらめちゃくちゃ活躍できる社会人に育ちます。事実私も根岸も学生時代にインターンをしており、キーエンスに入社後に同期内で1位も獲得しています。これは学生自体に「ベンチャー」という環境で働き、仕事への考え方などを吸収できたことが非常に大きいです。このめもそういう場を提供していると考えています。
インターンへの参加は「このめ」への入社が前提ではないので、卒業後キーエンスのような大手企業に入社した学生もいるそうです。

やる気のあるインターン生であふれかえる職場に

「このめ」では、インターンの採用にあたって、インターン生にスカウト文章の添削を依頼するという取り組みも行ってきました。たくさんのスカウトがくる中、どこにどんなことが書いてあったら興味を持ってもらえるのかをインターン生に聞いたといいます。
「まずはタイトルで差別化を図ったらどうですか?」というアドバイスを受け、「社長が 20 代であること」「1年目から年商1億円を達成している急成長企業であること」「インターン生が成長できる環境があること」をアピール。やはり「『成長』という言葉が刺さる」という学生が多かったそうです。
「一方、人事担当者としては、『そこが刺さるんだ』と意外に感じることも多かったようです。『最近の求人はこういう写真の方が刺さりますよ』というアドバイスももらったそうで、とても新鮮だったと聞きました」と百田さん。
インターンの採用を始めて1年が経ち、何か変化はあったのでしょうか。
当初はインターン生が何を求めているかがわからなかったので、採用後ギャップが生まれ、すぐやめてしまう学生も少なくありませんでした。この1年で長続きする学生のタイプがわかってきたことで、最近ではすぐに離職してしまうケースが非常に少なくなったそうです。
当初はインターン生が何を求めているかがわからなかったので、採用後ギャップが生まれ、すぐやめてしまう学生も少なくありませんでした。この1年で長続きする学生のタイプがわかってきたことで、最近ではすぐに離職してしまうケースが非常に少なくなったそうです。
百田百田さん
今はむしろ、やる気のあるインターン生であふれかえっていますね。『このめ』で活躍できる人が明確になったぶん、インターンの採用もスムーズになりましたし、その後の研修やサポートの面でも改善を重ねてきたので、本当に活気あふれる職場になったなと感じています。

直近のゴールは「2023 年 3 月までに月商1億円達成」

『誰かが自分以外の誰かを大切にしたいと願った時、そこに介在するサービスを創る。』という『このめ』の理念にかなった事業を展開していくというのが今後の目標です。直近の目標としては、2023 年 3 月までに月商1億円達成を目指しています。
社員とインターン生が力を合わせて月商1億円を達成した後は、理念にのっとった事業を次々に展開していきたいですね。
これから新事業がどんどん増えていくでしょうし、色んな可能性があるから、『このめ』のインターンはほかの会社より楽しいと思いますよ」と百田さん。

インターンの参加動機、漠然と「成長したい」も大歓迎

聞けば聞くほど楽しそうな「このめ」のインターン。「このめ」はどんな学生をインターン生として求めているのでしょうか。
求めるインターン生の人物像として、百田さんは2つの要素を挙げます。
ひとつは理念に共感してくれる人。理念に共感してくれる学生が活躍してきた実績があるのはもちろん、まだ設立2年未満のベンチャーなのでインターン生も企業文化を作る大切な一員です。両方の観点から「このめ」の理念に共感してくれる学生、「このめ」の理念を面白いと思ってくれる学生を求めているといいます。
もうひとつは成長意欲がある人。「これがやりたい!」という明確な目標があるわけではなくても、「何かを成し遂げたい」と考えている学生が活躍してきたので、「大学生のうちに何かしら成果を残したい」「成長した証が欲しい」という気合いがある学生を求めているのだそう。
百田百田さん
成長意欲は漠然としていてもよくて、むしろ漠然と『成長したい』と思っている人を求めています。就活となると漠然と『成長したい』では通らないかもしれませんが、就活の前段階のインターンという場なので、『このめ』でしっかりと成長したという証を残して、その後の就活に臨んでくれれば。『このめ』でのインターンを、ステップアップに使ってくれればいいと考えています。

これまでにも、漠然とした気持ちの学生さんをしっかり成長させてきた実績があるので、漠然と『成長したい』と思っている人もウェルカムです。中学や高校時代は熱量を持って取り組んでいたことがあるけど、大学になって取り組むものがなくなって悶々としている学生もこれに当てはまると考えています。

大学2年生でライバー事業の責任者をやっているインターン生もいるくらいなので、刺激もたくさんあります。頑張り次第で責任のあるポジションに就ける『このめ』のインターンは、成長意欲がある人にとっては『成功体験』という自信が得られる場になっていると思います。
徹底した分析と環境構築で定着率83.4%!代表に聞いた「このめ」の理念とインターンの魅力

おわりに

現在では東京のみならず、大阪でのインターン生の採用にも力を入れているという「このめ」。今後は、インターン生の活躍の場を増やすための基盤づくりや制度づくりにも注力していきたいそうです。
長期インターンとなると、明確な志望動機がないと腰が引けてしまう人もいるかもしれませんが、「『成長したい』という漠然としたモチベーションでもオッケー」という「このめ」は、インターンを通じて成功体験を積みたい学生にとってはなんとも頼もしい存在ではないでしょうか。

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