コンサルティング会社で企業再生案件を相当数、経験しました。
企業再生というと、企業を復活させるかっこいい仕事みたいなイメージをもつ方が
多いのですが、現場で見たものは、日々の資金繰りに追われ、
金融機関に追い立てられ、夜も寝られない社長たち……。
精神的に追い込まれて自殺してしまった社長もいました。 
実際のところ、企業再生案件として、僕たちのところにくる段階では、
自力での再生は困難なケースが多いです。

理由は「お金」がないからです。お金がなければ借りればいいのですが、
企業再生のフェーズに入ってしまうと新規にお金を借りるのは非常に難しくなっています。

「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を奪う」
まさにそのとおりです。借入ができないので、資産売却やリスケジュール、
コスト削減、いわゆるリストラなどなるべくお金を減らさない施策を実行するのですが、
再生する時間が稼げないケースが多数あります。

順調な時期にきちんとした財務戦略を立てていれば
ここまで追い込まれることはなかったんじゃないか、という案件も多くありました。

社長に聞くと「お金のことは顧問税理士に任せていたので……」という方が多く、
事実、顧問税理士同席で打ち合わせをすることもありましたが、
まったく財務のことが分かっていない方が多く、
「こんな状態になる前なら何とかなったのに……」と何度も悔しい思いをしました。

経営者にお金を任せられているという認識のない税理士と、
財務のわからない税理士にお金を任せていると思っている経営者のギャップは、
中小企業にとって大きな問題です。
税理士は過去の会計と税務の専門家であって財務の専門家ではないのです。

このギャップを埋めるべく僕らは起業しました。
税理士が財務のことをきちんとコンサルティングできればいいのです。
税務インフラを財務インフラに変える。
日本の中小企業を強靭な財務体質に変える。
日本型経営で世界を変える。
そんなチェンジメーカーになりたいと思っています。