市況分析
公開日:2021年09月06日
自分のスキルが武器になる。いま注目の「ジョブ型」の就活のやり方とは?
最近就活や採用に関するニュースで「ジョブ型」というワードをよく見ますが、
実は3月に投稿した[こちら](https://cheercareer.jp/ip_blogs/article/650)の記事に、最新の採用のトレンドとして取り上げていました。
今回は前回の記事から半年経ったので、改めて「ジョブ型」採用やその現状、就活の上で意識されていること、
そして「ジョブ型」採用に向けての就活のやり方をまとめて紹介したいと思います!
## 「ジョブ型」採用とは
3月の記事にも書きましたが、ジョブ型採用とは
**専門性を武器に採用され、その職務・仕事・役割に見合った報酬制度が適用されるような採用のこと**を指します。
日本の新卒採用の現状としては、
職種を限定せずに一気にたくさんの労働力を採用し、入社後に自社のカラーも含めて教育をしていくという
「一括採用(メンバーシップ型採用)」がメインの手法となっています。
そのため就活のやり方としては、皆さんもご存知の通り
決められた就活スケジュールやルールに則て進めることになるでしょう。
一方で中途採用においては、ジョブ型採用を取り入れられることが多く
求職者のもつスキルやこれまでの経験に見合った報酬が与えられることが多いです。
### 未来の採用とインターンシップのあり方
Society 5.0(内閣府が提唱した未来社会)にて、未来の採用とインターンシップのあり方として
「採用方法の多様化・複線化」「大学院教育を含めた学修成果と修得した能力を尊重した採用選考が定着、ジョブ型採用も拡大」
という内容に移行していくという話も。
国として一括採用だけではなく、学んだことや自分が持っている技術・能力を尊重した尊重した採用・選考を進めていく方針ではありますが
現状で言うとジョブ型採用で就活成功をする層は、大学院生や起業経験がある所謂即戦力人材であることが多いです。
### 「ジョブ型」を取り入れた例
前述のとおり、現段階の日本の就活・採用において「ジョブ型」は中途採用に取り入れられることが多く
また、どちらかというと採用側ではなく人事制度に取り入れられるケースの方が多いです。
実際に「ジョブ型」を取り入れた例をいくつかご紹介します。
#### 例1. 富士通のジョブ型人事制度
富士通は2020年4月より、幹部社員1万5000人を対象にジョブ型人事制度を導入しています。
職務ごとに仕事の内容と必要なスキルなどを定義し、それに見合うスキルを持つ社員をアサインした上で
それぞれ管理職の格付けや職種ごとに給与や報酬が決まるような評価・人事制度を導入したそうです。
今後、労働組合との協議を経て一般社員にも適用していく計画とのことです。
#### 例2. ニトリホールディングスのジョブ型人事制度
ニトリホールディングスでは完全にジョブ型へ移行する訳ではなく、ジョブ型の人事制度を一部のみ導入しています。
理由としては、社員を3~5年で配置を転換し、様々な部署の業務を経験させて育成する「配転教育」に力を入れているためだそうで、
具体的な運用としては、ジョブで定義できる職種(情報システム・財務経理・法務など)に関してはジョブディスクリプション(※)を作成し、それ以外の業務に関しては作成せず運用しているとのことです。
```
※ ジョブディスクリプション(職務記述書) とは
社員の職務の明確化を目的とした、職務内容を記載した雇用管理文書のこと。
人ではなく「ポスト」に対して用意されている文書で、評価制度が一般的である欧米では広く用いられている。
```
## 「ジョブ型」に関する就活の意識調査
「ジョブ型」の採用や就活について、実際に学生にはどれだけ浸透しているのか?という疑問もあるかと思いますので、
2021年6月調査の「あさがくナビ 2023年卒学生の就職意識調査(ジョブ型) 」( [https://service.gakujo.ne.jp/210802](https://service.gakujo.ne.jp/210802) )を元に見ていきましょう。
### (1)「ジョブ型」の認知率
「ジョブ型」を知っていますか?という質問に対する回答は下記になっています。
|回答|割合|
|-|-|
|言葉も意味も知っている|16.3%|
|言葉は知っている|28.6%|
|知らない|55.0%|
「ジョブ型」について、「言葉も意味も知っている」「言葉は知っている」との回答が44.9%
インターンシップ(広報)が解禁した6月の段階での、およそ45%の学生が「ジョブ型」について認知しているようです。
### (2) 「ジョブ型」へのイメージ
「ジョブ型」に持っているイメージを聞いたところ、上位3つは下記のような結果になっています。
|順位|回答|割合|
|-|-|-|
|1位|スキルが身に付きそう|50.0%|
|2位|希望する仕事ができそう|38.9%|
|3位|専門性や大学で学んだことを活かせそう|38.2%|
「スキルが身に付きそう」が1位にランクインしており、本来の「ジョブ型」採用での「**専門性を武器に採用**」というポイントから少々ずれて認知されてしまっているものの
3位に「専門性や大学で学んだことを活かせそう」がランクインしていることから、「ジョブ型」においては自分か持っているスキルや学んだ専門性を活かした仕事ができると感じている学生が多いことが分かります。
### (3) 「ジョブ型」採用に向けての準備
「ジョブ型採用」を活用するために準備していることを聞いたところ、上位3つは下記のような結果になっています。
|順位|回答|割合|
|-|-|-|
|1位|インターンシップ参加|58.5%|
|2位|大学の勉強|54.9%|
|3位|仕事研究|37.8%|
ジョブ型採用に向けた就活のやり方として、1位・2位をみるに
何かしら経験を積んでおき、それを生かしたいとか、大学で学んだ知識を生かしたい、強みを生かしたいという傾向にあることが分かります。
## 「ジョブ型」採用における就活のやり方
「ジョブ型」に関する調査から、「ジョブ型」採用に関する誤解がありつつも、スキルを身につけたい・自分の持っている知識や技術を生かしたいと考えている学生が多いことが分かりました。
では「ジョブ型」採用や人事制度における就活のやり方はどうしたら良いのでしょうか。
「ジョブ型」の就活のやり方としては、「専門性を武器にする」ことが前提となりますので
まずは**自分の武器・特化できることを明確にする**ことが重要になります。
就活準備や学生生活において**自分の武器・特化できることを明確にする**ためにおすすめしたいやり方をいくつかご紹介します。
### (1) 長期インターンに参加する
長期インターンに参加することで、業務や職種に対する理解を深めつつ、実務経験を積むことができ
かつビジネススキルも身につけることができるため、ぜひお勧めしたいやり方です。
「ジョブ型」からは少しズレますが、
現段階で志望している企業がある場合は、その企業の長期インターンに参加するのも一つの手です。
企業文化と実務を理解・経験し、かつ自分自身のことを知ってもらえる点から、即戦力人材として採用につながる可能性があるからです。
CheerCareerは就活スケジュールに縛られず通年で利用できる就活メディアとなっているため、学年関係なく長期インターンを検索・申込・参加が可能です。
ぜひCheerCareerから長期インターンに参加をしてみましょう!
**▼ CheerCareerの「仕事検索」**
→ [https://cheercareer.jp/search/offer_list](https://cheercareer.jp/search/offer_list)
**▼ 参考:長期インターンに関する「就活ノウハウ」はこちら**
→ [https://cheercareer.jp/ip_blogs/category/9](https://cheercareer.jp/ip_blogs/category/9)
### (2) スキルを身につける
社会人になってからや将来の業務に役に立つ知識やスキルを身につけて極めるという方法もあります。
ここ数年でよく聞くやり方としては、プログラミング等のスクールに通ったり、セミナーやワークショップに参加をすることで
就活に関するスキルや、ビジネススキルを身につけることができます。
CheerCareer上にも、会員限定サービスとして個々のスキル向上のための「**スキルアップスクール**」を開設していたり、
営業職に特化した実践型の養成組織「**CheerGuild**」を立ち上げたりなどして、就活という領域だけでなく
皆さんのスキルの底上げのための活動もしていますので、ぜひチェックをしてみてくださいね。
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### (3) 資格を取得する
自分が興味のある職業に向けて資格の勉強・取得することも有効です。
もちろん取得した資格やそれまでプロセスは履歴書やES、ガクチカにも使用できますので、就活を優位に進めるやり方でもあります。
持っている資格やそれに相当する知識を持っている点は、採用やその後の配属にも影響することが多いため、チャレンジをしてみましょう。
## 最後に
最近改めてよく聞く「ジョブ型」についてや、関連する採用・人事制度について解説をしました。
自分の専門分野や強みを生かせる働き方でもあるため、就活を進める上でも意識してみると良いでしょう。
また「ジョブ型」採用における就活のやり方と、CheerCareerのおすすめコンテンツも合わせてご紹介しました。
学生のうちからスキルや知識を身につけたり経験を積むために、CheerCareerを使って早期からアクション起こし、就活を優位に進めましょう!
### 参考文献
- 採用と大学教育の未来に関する産学協議会."Society 5.0に向けた大学教育と採用に関する考え方".一般社団法人日本経済団体連合会.2020/03/31
[https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/028.html](https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/028.html) , (2021/8/20)
- 株式会社学情."あさがくナビ2023登録会員対象 2023年卒学生の就職意識調査(ジョブ型) 2021年8月版".株式会社学情.2021/08/02
[https://service.gakujo.ne.jp/210802](https://service.gakujo.ne.jp/210802) , (2021/8/20)
- Human Capital Online."報酬連動で管理職を格付け、富士通の「ジョブ型」人事で注目したい5つの挑戦".日経BP.2021/04/23
[https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00011/042000011/](https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00011/042000011/) , (2021/8/20)
- Human Capital Online."ニトリ、三菱ケミカルーー “ジョブ型”の成否はキャリア自律にあり".日経BP.2021/04/14
[https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00045/041200004/](https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00045/041200004/) , (2021/8/20)