「入社したい」と言わせる。面接におけるクロージング手法とは

面接・選考テクニック

「入社したい」と言わせる。面接におけるクロージング手法とは

25歳でサービス業の人事採用実務兼責任者になり、2006年に人材会社を設立し 現在に至るまで人の採用に携わってきました。 気が付けば20年近くの経験となっています。 人材会社を立ち上げてからは、お客様の採用のお手伝いをすることと 自社採用の説明会や最終面接に携わることなりました。 ## 採用の成否を左右するコミュニケーション力 採用の成否には多くの要因があります。 応募者の人数が集めることはとても大切ですが、応募者が多数なのに採用が 全くうまくいかない事例を私はたくさん見てきました。 採用のコンサルタントとして多くのお客様の採用のお手伝いをしてきましたが、 ご依頼をいただく際に採用成功の確率(採用成功への難易度)が頭のなかに浮かびます。 お客様の業種、募集する職種や人数、勤務地、給与などもふくめた福利厚生。 こういった基本的な諸条件に加えて、社長、担当役員や人事担当者のコミュニケーションスキルも 大きな採用成功の要因です。 コロナ禍の以前はどの業界も人手不足で採用は売り手市場でした。 しかし、新型コロナウイルスの影響で5月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.12ポイント低下の **1.20倍**でした。雇用情勢は急速に厳しくなっています。 そんななかでも募集は来るけど採用がうまくいかないという企業は、改めて採用における求職者との コミュニケーションを見直すと良いかと思います。 特に応募は多いが優秀な人材が選考中に離脱してしまう、最終面接になかなか良い人材が あがってこないという管理者の方は見直しが急務です。 ## 採用に関わる人の役割 私の自社採用における役割は最終面接官です。 最終面接官の役割は2つあると思っています。 ### 1.活躍する人材かどうか見抜くこと ### 2.求職者の入社意思を固めさせること 選考として1つ目は当然ですが、2つ目の意識が低い方は少なくありません。 最終面接まで来ると多くの選考ステップを経て、最終面接は選考というよりは入社に向けた 最終意思確認という位置づけの企業も多いかと思います。 そのような中で、最終面接官は営業でいうところのクロージングを行わなければなりません。 もっと言えば、採用においては求職者との接触がはじまった段階から最終面接のクロージングに向けて 入社させる勧誘行為が重要だということです。 相手を選考するという強い立場と入社してもらえるかどうかという低い立場のバランスが偏ったまま 何も考えずに求職者とコミュニケーションをとっていては、採用はなかなかうまくいきません。 買い手市場になっても求職者との面接において、人間的な信頼のない手法だと優秀な人材の獲得はもちろん 人を採用し、活躍してもらうこと自体が難しい時代なのです。 ## 入社を勝ち取るコミュニケーションのポイント コロナ禍で厳しい採用マーケット和らいできましたが、ここで求職者に対して入社意思を高めさせる コミュニケーションポイントをお教えしたいと思います。 ### ・直球で競合他社を聞く、直球で自社が何番手か聞く 特に優秀な人材で他社から勝ち取らなければいけない求職者に、入社の意思をストレートに聞くことは 採用担当者の方、特に新人の方には勇気がいることです。 私も25歳のときから採用の前線で面接をし、内定者のフォローをしてきましたので気持ちが痛いほどわかります。 入社意思を聞いてしまうと入社を急がせたり、強要しているようで最近の若い求職者には逃げられてしまう。 そんな不安心理が採用担当者の方にあるようです。 そのようなこともあり、採用担当者の方が求職者の志望度を上長に聞かれて、「まだ、よくわかりません」と答える場面を よく見てきました。しかし、私は採用活動も営業行為だと思っています。 受注の確度を聞かれて、「よくわかりません」という状況では受注成約の希望はないのではないでしょうか。 決裁権者はだれなのか、予算や相手のニーズは何であるのかを引き出す営業行為と採用行為も同じです。 * 求職者の就職先を決めるのは誰なのか * 給与や昇給はどのくらいを望んでいるのか * やりがいや価値観はそのようなものか 上記を引き出すためには、 * 競合他社のどのようなところに魅力を感じているのかを聞く * 自社の応募時と選考を経ていく過程で生まれた不安は何かを聞く * 入社先を決めるときに誰の意見を尊重するのかを聞く 3番目については本人が就職先を決めるという先入観は危険です。 決裁権者は新卒や第2新卒の場合は、親であったりします。 それ以外でも影響量がありプライベートと密接にかかわってくる方(配偶者や彼氏・彼女) や尊敬する相談者がいる場合も。 選考というコミュニケーションを通じて、求職者の希望を叶える動機形成や不安への払しょくを していくことが面接官、特に後半のフェーズでの面接官の役割なのです。 近年は、信頼に基づき会社と個人が互恵的で「フラット」な関係を求める社会になってきました。 コロナ禍はそのような関係性をより加速させることでしょう。 相手と一緒に希望や不安を共有し、解決していく関係値を入社前から結ぶのがベストな面接手法です。 面接におけるクロージング手法を 動画でも紹介していますのでぜひご覧ください。
この記事を書いた人
櫻井
株式会社Cheerの取締役。
ストレングスファインダー認定コーチ。
新卒で大手アミューズメント企業に入社し、最年少で採用責任者に抜擢。
29歳の時に浅井とともに起業。
会社1の愛読家であり、頭が良すぎて変わり者である。
とにかく人望が厚い2児の女の子の教育熱心パパ。

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