市況分析 2019.08.26
「転職するとしたら3年」を待つべき?
新卒で入社をしてからは、大学の同期たちと飲んでいると「まだ3年在職してないから転職したくても我慢」。
大体2年目に入る頃合いから「次で3年目になるし転職かな(笑)」なんて冗談交じりに話題に上がることが増えました。
どうして3年かと言えば諺の「石の上にも3年」からきていると言われていますが…。
実際問題、転職をするには3年を待つべきなのでしょうか。
社会人スキル云々などはよく話題に上がっているかと思うので、今回は実際に採用する企業視点の実情を確認していきたいと思います。
## 「転職するとしたら3年」を待つべき?
目次
1. 採用ニーズは依然『高』。労働人口減から求人数は過去最高水準が続く。
2. 採用理由1位は「経験を活かし即戦力になるから」、しかし求人広告は「未経験歓迎」増。
3. チャンスは転職を考え始めてから「半年」後!
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### 1. 採用ニーズは依然『高』。労働人口減から求人数は過去最高水準が続く。
2019年度の中途採用計画としては「増やす」と答えた企業が 33.4%、「減らす」と答えた企業が 8.3%にのぼることがリクルートキャリアの調査結果に上がっています。
また、転職求人倍率は2.48倍、求人数は2019年7月時点で、前年に比べ13.3%増。2008年1月以来の最高値を更新しました。
労働人口が減少してきているため、どの業界でも慢性的な人材不足が続いており、そういった意味で転職者優位な状況は維持されております。
### 2. 採用理由1位は「経験を活かし即戦力になるから」、しかし求人広告は「未経験歓迎」増。
厚生労働省が行なった調査によると、企業の中途採用理由として一番高かったのは「経験を活かし即戦力になるから」、次いで「専門知識・能力があるから」。
特に企業規模が大きくなるほどこの傾向は強く、1,000人以上の規模の企業の7割はスキルや経験を求める傾向にあるようです。
しかしそれとは相反して「未経験歓迎」の求人広告は3年間で2.3倍、「学歴不問」は2.4倍に増加。
これらはまだ名前が知られていないスタートアップ・ベンチャー企業など、規模が小さい企業に多く見られています。
もし異業界・異職種に挑戦したい!というのであれば100人以下の小さな企業にあたってみるのも一つの手でしょう。
### 3. チャンスは転職を考え始めてから「半年」後!
上記の理由から、市況感的には転職者優位。
もし今とは別のことに取り組みたい!と思った際にも、未経験転職がしやすい状況が生まれています。
近年では経営サイクルなども早まってきているため、やりたいことがある!スキル面で成長をしたいけれど、今の会社ではその見込みがない、といった場合は3年を待たず転職をするのも一つの手と言えるでしょう。
とはいえ何も準備をせず転職をするのも早計です。
転職後の失敗としてよく挙げられるのは「(憧れて入ったけれど)本当にやりたいことと違った」「実は前の会社の方が良かった」という、自己理解や企業の業務内容・文化理解不足。
特に自己理解を深めることは、一生を生きていく上で大きな価値になります。
「転職しようかな」と思うきっかけや、自分が今後どんな仕事をしたいのか。
半年後絶対転職をする!という気持ちでスケジュールを敷き、自分自身を見つめ直したり、現在社会にはどんな企業が存在するのかみっちり確認してみるのはいかがでしょうか。
ちなみに一般的に、人の運(ツキ)には波があり、どんなに嫌だと思うことでも半年すれば落ち着くと言われています。
その間本気で転職活動を行なったけれど、結局今のところが一番だと思って在職し続けるのも良し。
半年過ぎても状況は改善されないから、見付けた転職先へ移るのも良し。
転職という高いリスクを取ろうと決断したからこそ、どちらに転がってもいいように、自分の未来をコントロールしてみましょう!
参考・出展
- [リクルートキャリア「企業⼈事600⼈に聞いた 2019年度中途採⽤の計画」](https://www.recruitcareer.co.jp/news/20181213.pdf)
- [DODA「転職求人倍率レポート(2019年7月)」](https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)
- [厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況 転職者の採用状況」](https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-h27-1-02.pdf)