私が学生の頃は、就職すれば一生勤め上げるという価値観が当たり前であった時代。
「ベンチャー」という言葉を聞くこともありませんでしたが、いつか社長になりたい。
ふと、そんな想いが芽生えていました。
前職の大手アパレル会社では15年間、営業として勤務。
入社当初は30歳になるまでの独立を目指していたものの、
20代で結婚し、子どもが生まれ、
一度は「守り」の方向に意識が傾き、独立を諦めたこともありました。
しかしある時、心の中にいるもう一人の私に自問自答され、
勝負を賭けなかったことを悔やむ将来の自分の姿が見えたのです。
そこで初めて、挑戦しないのはただ自分に意気地がないだけだと気付き、
本気で独立に向けて準備を始めました。
「香水」でビジネスをしようと考えたきっかけは、前職時代のこと。
当時の日本には有名ブランドによる香水の市場しかなく、
欧米のようにリーズナブルな商品による若者向けの香水の市場ができれば、
面白いビジネスになると思いました。
37歳の時、西麻布のワンルームマンションにて一人で創業。
個人輸入代行業からスタートし、次第にイタリアやアメリカへ買い付けにも行くように。
ブースで各ブランドと交渉を重ね、販売権を獲得しましたが、
この契約では商品を日本でしか売ることができません。
そこで次に掲げたビジョンは、
「香水の後進国である日本発のオリジナルブランドで世界に挑戦する」こと。
自分たちでオリジナル商品を作れば、世界のどの国でも売れるようになる。
この想いが「オリジナル商品」を生み出すきっかけでした。
こうして創業から25年以上の歴史を刻んできたFITSですが、
当社は今も、あらゆることに挑み続けているベンチャー色の強い会社です。
歴史に名を残している経営者は、大金持ちだから勝負をかけたわけではありません。
名だたる大手企業も皆、小さかったときがあったのです。
では、他と何が違ったのかといえば、情熱、そして諦めない心を持っていたこと。
「ぬるま湯の中に成功のドアはない」
これは、私が常々思っていることです。
どれだけFITSの事業が拡大していこうと、
私自身も経営者である限り、“次の一手”を打ち続けていくつもりです。
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